戦場は選べない——競馬もそうだった
ドバイ・ワールドC(3月28日、メイダン競馬場)への遠征を目指していたNAR年度代表馬ディクテオン(セン8歳、大井・荒山勝徳厩舎、父キングカメハメハ)陣営が3月4日、遠征断念の可能性を公式発表した。断念した場合の次走は川崎記念(4月8日、ダート2100m/JpnI)。馬は絶好調、だが世界情勢がそれを許さない。
そんな皮肉な現実が、競馬ファンのSNSを揺さぶっている。
「今回は厳しいんじゃないか。でも馬は絶好調」
荒山調教師は日刊スポーツの取材に率直な胸中を明かした。「まだキャンセルはしていませんが、今回はだいぶ厳しいんじゃないかと思います。こういう、たぶん無理だろうな、という時に限って、馬は絶好調で」
現場の無念さが滲み出る言葉だ。
現在ディクテオンは千葉・大井競馬小林分場(印西市)で調整中。コンディション面での問題は一切なく、あとは中東情勢の推移を見守るだけという状況だ。
何が起きているのか——中東情勢の背景
米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけに中東の緊張が急激に高まった。ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)に位置し、直接の交戦地域ではないものの、人馬の安全確保が難しいと判断した陣営が相次いで遠征取りやめを表明している。
3月4日だけで発表された主な遠征見送り馬は以下の通りだ。
| 馬名 | 予定レース | 見送り後の候補 |
|---|---|---|
| マスカレードボール | ドバイ・シーマクラシックG1 | 大阪杯(4月5日・阪神) |
| ジャンタルマンタル | ドバイ・ターフG1 | チャンピオンズマイルG1(4/26・香港) |
| ディクテオン | ドバイ・ワールドCG1 | 川崎記念(4月8日・川崎) |
さらに米国最優秀スプリンターも「ドバイ行きを計画していたが中止せざるをえない」と声明を出すなど、影響は世界規模に及んでいる。
川崎記念が史上最高メンバーになる可能性
ドバイ遠征組が国内に残ることで、春の国内競馬が激変しつつある。大阪杯にはマスカレードボール、昨年のダービー馬クロワデューノールらが集結する見込みで、SNS上では「史上最高メンバーになりそう」「国内レースが豪華になると思って良しとしよう」という声が多数上がっている。
川崎記念も例外ではない。ディクテオンが参戦すれば、佐賀記念を制したカゼノランナーらとの激突が実現する。地方競馬ファンにとってはむしろ「怪我の功名」ともいえる展開だ。
かめきちの見立て
北海道の現場を車で飛び回りながらradikoで競馬を聴く自分にとって、こういうニュースは単なる「馬事情」じゃない。世界の出来事がリアルタイムで日本の競馬場に波及してくる。
それが地方交流重賞の面白さでもある。ディクテオンが川崎に来るなら、3連単の軸は迷わず決まりだ。
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情報は2026年3月4日時点のものです。今後の情勢・陣営発表により内容が変更となる場合があります。


