買う前に読んでほしい
Amazonで「宇治抹茶」と検索すると、500円以下の商品がずらりと並ぶ。パッケージは緑色で高級感があり、「宇治抹茶使用」「石臼挽き」などの文字が躍っている。しかし2025〜2026年にかけて、京都の老舗・丸久小山園が中国産模倣品をめぐり大阪高裁で和解するという事態が起きた。(出典:丸久小山園 公式お知らせ 2026年2月13日)
あなたが今まさにカートに入れようとしているその抹茶、
本物かどうか、自信を持って答えられるだろうか。
この記事では「見れば分かる」「嗅げば分かる」「ラベルで分かる」という3つの視点から、偽装抹茶を見抜くための完全チェックリストをお届けする。
なぜ今、偽装抹茶が急増しているのか
問題の背景を一言で言えば、「需要の爆発」だ。財務省の貿易統計によれば、2023年の抹茶を含む緑茶の輸出額は292億円と過去最高を更新し、10年前の約4倍にまで膨らんだ。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)米国では「Matcha Latte」がカフェの定番メニューとなり、ヨーロッパの高級スーパーにも抹茶が並ぶ。
この巨大な需要を狙い、日本の有名ブランドを模倣した商品が中国や東南アジアで大量に出回るようになった。外装は本物そっくりでも、中身は粉末緑茶や着色料を混合した全くの別物というケースが後を絶たない。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)
さらに深刻なのは、ベトナムなど一部の地域では「宇治茶=中国産」という誤解が広まっているという報告まで出ていることだ。本物の宇治抹茶が正当に評価されなくなるという、ブランド全体への長期的な損害が現実に進行している。
見分けるポイント①:目で見る「色」
本物の高品質な宇治抹茶の色は、深みのある鮮やかな緑色だ。これは収穫前の数週間、茶の茂みを覆って日光を遮る「被覆栽培」によってクロロフィル(葉緑素)の生成が促進されるためで、本物にしか出せない色合いだ。(出典:Riching Matcha 抹茶見分け方ガイド)
実際、丸久小山園の小山元也社長が中国産の偽装品と本物を並べたとき、最初に口を突いた言葉が「だいぶ色合いが違う」だった。中国産はくすんだ黄色がかった緑色で、本物の深い緑とは一目で分かる差があったという。(出典:MBS毎日放送 2025年5月1日)
✅ 色チェックリスト
- 鮮やかで深みのある緑色か → ◎ 本物の可能性が高い
- くすんだ黄緑色・茶色がかっている → ⚠️ 酸化・劣化・粗悪品の疑い
- 蛍光ペンのような不自然な緑 → ⚠️ 着色料混入の疑い
- お茶を点てたときに泡が黄緑や茶色 → ⚠️ 要注意
見分けるポイント②:嗅いで触れる「香り・舌触り」
本物の宇治抹茶には「覆い香」と呼ばれる独特の香りがある。海苔や若葉を思わせる香ばしくて甘い香りで、茶葉を被覆栽培することで生まれるアミノ酸(テアニン)が豊富に含まれているためだ。この香りは偽物では再現できない、本物の証だ。
小山社長も比較試飲の際にこう語っている。
「抹茶独特の『覆い香』というのがうちのほうではグッとくるんですけども、(中国産の抹茶は)なかなか感じられない。同時に渋みが広がる」
──丸久小山園・小山元也社長(出典:MBS毎日放送 2025年5月1日)
舌触りも重要な判断材料だ。本物の抹茶は石臼でゆっくりと丁寧に挽かれるため、粒子が非常に細かく、口の中でシルクのように滑らかに溶ける。偽物や低品質品はボール mills(ボールミル)で急速に粉砕されることが多く、粗くてザラつく口当たりになる。(出典:Riching Matcha 抹茶見分け方ガイド)
✅ 香り・舌触りチェックリスト
- 海苔・若葉のような甘い「覆い香」がする → ◎ 本物の可能性が高い
- 草や枯れ葉のような青臭さがある → ⚠️ 低品質・劣化のサイン
- 口の中でサラサラと滑らかに溶ける → ◎ 石臼挽きの証
- 粉っぽさやザラつきを感じる → ⚠️ 粗悪品・粉末緑茶混合の疑い
- 甘みとうまみのバランスが取れている → ◎ 本物の風味
- 渋みだけが強くうまみがない → ⚠️ 偽物・低品質品の特徴
見分けるポイント③:ラベルで読む「産地・認証」
購入前に最も確実に確認できるのがラベルだ。
以下の順番で確認することを強くすすめる。
まず「原産地・加工地」を工程ごとに確認する。
「宇治抹茶(京都府産)」のように、具体的な地名と都道府県が明記されているものを選ぶ。注意すべきは「Made in Japan」の表記だけでは不十分な点だ。原料は中国産でも加工のみ日本国内というケースが存在する。原料・製造・加工のすべての工程が日本国内で行われているかを確認することが重要だ。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)
次に「認証マーク」を確認する。
有機JAS認証(日本)やEUオーガニック認証は、化学肥料・農薬不使用の有機栽培であることを第三者機関が保証するものだ。これらのマークがあれば農薬リスクも含めて一定の安全性が担保される。ただし認証を偽装した模倣品も存在するため、公式認証機関のウェブサイトで登録番号を照合するのが確実だ。
最後に「価格」で判断する。
高品質な抹茶は被覆栽培・手摘み・石臼挽きと手間が積み重なるため、国内正規流通では20gあたり1,000〜3,000円程度が目安とされる。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)これより極端に安い商品は粉末緑茶・着色料混合品の可能性が高い。一方、海外サイトでは正規品が3倍近い値段で転売されるケースも確認されているため、「高い=本物」とは言い切れない点にも注意が必要だ。
✅ ラベル・価格チェックリスト
- 「京都府産」「宇治産」など具体的な産地表記がある → ◎
- 原料・製造・加工すべてが日本国内と明記 → ◎
- 有機JAS認証マーク・EUオーガニック認証マークがある → ◎
- 賞味期限・ロット番号が印字されている → ◎
- 「Made in Japan」のみで産地の詳細記載なし → ⚠️ 要確認
- 「Premium Matcha」「Uji Style」など曖昧な英語表記のみ → ⚠️ 要注意
- 20gあたり500円以下の極端な低価格 → ⚠️ 粗悪品の疑い
- 製造者・販売者の連絡先が不明 → ⚠️ 正規品でない可能性
見落としがちな「農薬リスク」
偽装・模倣品の問題に加えて、もう一つ見逃せないリスクがある。それが農薬残留の問題だ。
EUではネオニコチノイド系農薬(クロチアニジン・イミダクロプリドなど)が生態系・人体への影響を理由に原則禁止されているが、検査体制が不十分な国で栽培された抹茶には、こうした農薬が国際基準を超えて残留しているケースがある。特に妊娠中・授乳中・乳幼児がいる家庭では、有機JAS認証品を選ぶことを強くすすめる。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)
保存方法も「本物を守る」大切な行動
せっかく本物の宇治抹茶を購入しても、保存が悪ければ品質はすぐに落ちる。抹茶は光・酸素・湿度に非常に弱い食品だ。開封後は2〜4週間程度で使い切るのが理想で、大容量パックより小分け包装を選ぶほうが鮮度を保ちやすい。使用後はしっかり密閉して冷暗所または冷蔵庫で保管すること。(出典:抹茶タイムズ 2025年8月4日)
輸入品の場合、開封時点ですでに製造から数か月が経過しているケースも多く、鮮度が低下していることがある。購入時に製造日・賞味期限を必ず確認することが大切だ。
まとめ:3秒でできる「本物チェック」
難しく考えなくていい。購入前のたった3秒で、以下の3点を確認するだけだ。
①色は深い緑か?
②産地は京都府など具体的か?
③価格は20gで1,000円以上か?
この3つがすべてYESなら、本物である可能性は大きく上がる。一つでもNOや不明があれば、購入を一度立ち止まって再確認することをすすめる。
京都の老舗が怒りと涙で守り続けている宇治抹茶のブランドは、消費者一人ひとりが本物を選ぶことでしか守れない。あなたが選ぶ一杯が、何百年にもわたる日本の茶文化を未来に繋ぐ力になる。
参考文献・引用元一覧
| # | 媒体 | 記事タイトル | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 1 | MBS毎日放送 | 中国産なのに宇治抹茶?商品名も同じ”模倣品”に京都の老舗企業が怒り | 2025年5月1日 |
| 2 | 丸久小山園(公式) | 和解による訴訟の解決に関するお知らせ | 2026年2月13日 |
| 3 | 抹茶タイムズ | その抹茶、本当に安全?海外輸入品に潜むリスクと正しい見分け方 | 2025年8月4日 |
| 4 | Riching Matcha | 本物の抹茶と偽物の抹茶をどうやって見分けるのでしょうか? | ― |
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