「メルカリで不用品売っただけなのに、確定申告いるの?」
「ココナラで副業してるけど、20万円以下なら申告しなくていいんでしょ?」
──この”常識”、半分正解で半分キケン。
2026年、確定申告シーズン真っ只中。基礎控除の大改正もあり、フリマアプリやスキルマーケットで収入を得ている人にとっては「今年の申告どうする?」が例年以上にややこしくなっている。
この記事では、メルカリとココナラを例に、本当に申告が必要なケース・不要なケースを仕分けし、見落としがちな”20万円ルールの落とし穴”まで、自営業者の筆者が噛み砕いて解説する。
🔑 そもそも「20万円ルール」って何?
会社員など給与所得者が、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要
これがいわゆる「20万円ルール」。
根拠は所得税法第121条。サラリーマンが年末調整を受けていることが前提で、それ以外の所得が少額なら手続きを省略できるという制度だ。
ここで大事なのは「収入」ではなく「所得」で判定するということ。
所得 = 売上(収入)− 必要経費
メルカリで50万円売り上げても、仕入れや送料、梱包費などの経費が35万円かかっていれば所得は15万円。この場合、20万円以下なので所得税の確定申告は不要になる(ただし後述の落とし穴あり)。
📦 メルカリ編──申告が「不要」なケース
不用品の売却は原則”非課税”
衣類、家具、家電、本、雑貨など「生活用動産」の売却は、所得税が課税されない。
これは国税庁が明確に示している。
「生活の用に供している資産(古着や家財など)の売却による所得は非課税」 ──国税庁 No.1906
つまり、着なくなった服やいらなくなった家電をメルカリで売った場合、たとえ年間の売上が20万円を超えても確定申告は不要。
これが「フリマアプリは申告不要」と言われる根拠だ。
⚠️ メルカリ編──申告が「必要」な3つのケース
ケース①:転売・せどりで利益を出している
不用品処分ではなく、「売るために仕入れた商品」を販売している場合は完全に課税対象。営利目的の継続的な販売は「雑所得」または「事業所得」に該当する。
会社員の副業なら所得20万円超、専業なら所得48万円超(2025年分は基礎控除引き上げにより、合計所得132万円以下なら最大95万円まで控除される)で確定申告が必要。
ケース②:1点30万円を超える高額品の売却
貴金属、宝石、ブランドバッグ、書画、骨董品などで1個(1組)の売却価格が30万円を超える場合は、生活用動産の非課税枠から外れる。
「譲渡所得」として課税対象になるので要注意。ただし譲渡所得には年間50万円の特別控除があるため、実際に課税されるのは利益が50万円を超えた場合。
ケース③:ハンドメイド作品を継続販売している
自作のアクセサリーやイラスト、手芸品などを継続的に販売している場合、これは「不用品の処分」ではなく「営利活動」。雑所得または事業所得として申告が必要になる。
💻 ココナラ編──スキル販売は基本的に”課税対象”
ココナラでのスキル販売(デザイン、ライティング、プログラミング、占い、相談サービスなど)は、生活用動産の売却とは根本的に違う。
これは「役務の提供」による収入であり、雑所得または事業所得に該当する。
会社員の副業でココナラを使っている場合
ココナラを含む給与以外の所得合計が年間20万円を超えたら → 確定申告が必要
ココナラの売上からは手数料(22%)が差し引かれるが、税務上の「収入」は手数料差引前の総額。そこからココナラ手数料、通信費、PC購入費(按分)、参考資料代などの経費を引いた金額が「所得」になる。
ココナラが本業・専業の場合
所得が48万円超(2025年分は基礎控除の改正で、合計所得132万円以下なら95万円まで控除される)なら確定申告が必要。
継続的に行っているなら「事業所得」として青色申告すると、最大65万円の青色申告特別控除が使える。雑所得ではこの特別控除は使えないので、規模によっては開業届を出して事業所得にする方が有利になる場合がある。
🕳️ 20万円ルールの”3つの落とし穴”
落とし穴① 住民税には20万円ルールは存在しない
ここが最大の盲点。
20万円ルールは「所得税」限定の話。住民税には同様の免除ルールがない。副業の所得が1円でもあれば、原則として市区町村への住民税申告が必要になる。
所得税の確定申告をすれば住民税は自動的に計算されるが、確定申告をしない場合は、自分で住民税の申告書を市区町村に提出しなければならない。これを忘れると住民税が本業の給与から天引きされる際に金額が変わり、会社に副業がバレる原因にもなる。
落とし穴② 他の副業と”合算”で判定する
メルカリの所得が15万円、ココナラの所得が8万円
単独では20万円以下だが、合算すると23万円で20万円超。この場合は確定申告が必要。
ポイ活、アフィリエイト、Uber Eats、YouTube
すべての副業所得を足し合わせて20万円を超えるかどうかを判定する。
落とし穴③ 医療費控除やふるさと納税で確定申告するなら”全部載せ”
医療費控除を受けるためなど、他の理由で確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も申告書に記載する義務がある。
「20万円以下だから書かなくていい」は、確定申告自体をしない場合だけの話。
確定申告する以上は、すべての所得を正直に記載する必要がある。
🔍 「バレないでしょ?」は通用しない時代
「メルカリの売上なんて税務署にわかるの?」
この発想はもう危険。
税務署がプラットフォームの取引情報を把握する手段は年々強化されている。支払調書の提出義務、マイナンバーとの紐付け、銀行口座の入出金データ、電子決済記録
「黙っていてもいずれ捕捉される」が現実だ。
無申告がバレた場合のペナルティは厳しい。
無申告加算税:本来の税額の15〜20%
延滞税:年率約2.4〜8.7%(時期による)
悪質な場合は重加算税:35〜40%
さらに過去に遡って3〜5年分を一括で請求される。
「数万円の節税」のために数十万円のペナルティを食らうリスクは割に合わない。
📊 判定フローチャート──あなたは申告が必要?
STEP 1:何を売った/提供した?
→ 不用品(生活用動産)を売っただけ
→ 原則非課税。申告不要(ただし1点30万円超の高額品は除く)
→ 仕入れて転売 / スキル販売 / ハンドメイド販売 → STEP 2へ
STEP 2:あなたの立場は?
→ 会社員(給与所得者) → STEP 3へ
→ 自営業・フリーランス → 事業所得 or 雑所得として申告。合計所得に応じた基礎控除あり
STEP 3:給与以外の所得合計は20万円超?
→ 20万円超 → 所得税の確定申告が必要
→ 20万円以下 → 所得税の確定申告は不要。ただし住民税の申告は必要
💰 経費にできるもの──しっかり引いて所得を圧縮
メルカリ・ココナラで認められる主な経費はこちら。
メルカリ(転売の場合): 商品の仕入れ代、送料、梱包資材代、メルカリ販売手数料(10%)、撮影用機材、通信費(按分)
ココナラ: ココナラ手数料(22%)、PC・タブレット購入費(按分)、通信費(按分)、参考書籍・資料代、ソフトウェア利用料、作業用デスク等の備品(按分)
共通の注意点: プライベートとの兼用品は「家事按分」が必要。PCを仕事50%・プライベート50%で使っているなら、経費にできるのは購入費の50%。領収書・レシートは必ず保管しておくこと(5年間の保管義務あり)。
📱 2026年の確定申告は”スマホで完結”がスタンダード
今年からiPhoneでもスマホ用電子証明書での確定申告に対応。
マイナンバーカードを物理的にかざさなくても、Face IDやTouch IDでログイン
→e-Taxで送信まで完結する。
雑所得の申告であれば、スマホの確定申告書等作成コーナーから数ステップで終わる。
「面倒くさそう」はもう言い訳にならない時代になった
🛠️ 確定申告の”味方”になるツールと本
副業・フリマの確定申告は、ツール選びで難易度がまるで変わる。
ここでは「初めてでも迷わない」3大クラウド会計ソフトと、手元に置きたい実用書を紹介する。
🖥️ クラウド会計ソフト3大サービス比較
どれもスマホ対応、銀行・クレカ自動連携、e-Tax送信まで一気通貫。
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📝 まとめ──やるべきことリスト
✅ メルカリの不用品売却は原則非課税。
ただし1点30万円超の高額品と、転売・ハンドメイド継続販売は課税対象。
✅ ココナラのスキル販売は原則課税対象。
副業なら20万円超、専業なら基礎控除超で確定申告が必要。
✅ 20万円ルールは「所得税だけ」の話。
住民税には適用されない。1円でも所得があれば住民税の申告を。
✅ 他の副業との合算で判定。
メルカリ+ココナラ+ポイ活…すべて足して20万円超なら申告必要。
✅ 確定申告するなら”全部載せ”。
医療費控除やふるさと納税で申告する場合、20万円以下の所得も記載義務あり。
✅ 経費はしっかり引く。
手数料・送料・通信費・機材費は正当な経費。領収書は5年保管。
✅ クラウド会計ソフトで時短。
freee・マネーフォワード・やよい、どれも無料プランから始められる。
✅ 無申告はバレる。
プラットフォームのデータ、支払調書、マイナンバー──税務署の網は年々細かくなっている。
自営業歴ン十年の筆者から一言。
「このくらいなら大丈夫でしょ」の
“このくらい”が一番危ない。確定申告は”正直に・漏れなく・期限内に”が鉄板ルール。
今年の申告期限は2026年3月16日(月)。
スマホひとつで完結する時代だ。週末のうちに片付けてしまおう。
参考情報・出典
国税庁「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」 / 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」 / メルカリヘルプセンター「メルカリの売上は確定申告が必要ですか?」 / ココナラヘルプ「所得の計算方法」 / freee「副業所得20万円以下でも確定申告と住民税の申告は必要?」 / マネーフォワード「2026年提出(令和7年分)の確定申告の変更点まとめ」
※本記事は2026年2月17日時点の公開情報に基づいています。税制の詳細は国税庁の公式情報をご確認ください。 ※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。 ※freee・マネーフォワード・弥生のリンクは各社公式サイトへの直リンクです。書籍・物販リンクにはアフィリエイトリンクが含まれています。購入者に追加費用は発生しません。


