いま第二種奨学金を借りながら大学に通っているあなたへ。
入学時に聞いた「金利は低いから安心」という言葉、もう通用しない。
2026年1月、利率固定方式は2.5%を突破。
上限3%の天井が、すぐそこに見えている。
卒業する前に知っておくべきことを、全部ここにまとめた。
Wake Up Call ― 「0.2%の時代」はとっくに終わっている
まず現実を見てほしい。
JASSO第二種奨学金の利率、貸与終了時点の推移がこれだ。
| 時期 | 利率(固定方式) | 利率(見直し方式) |
|---|---|---|
| 2021年4月 | 0.268% | 0.004% |
| 2025年3月 | 1.641% | 0.500% |
| 2026年1月 | 2.512% | 1.700% |
(出典:JASSO公式)
2021年卒の先輩たちは0.268%で借りていた。あなたが2026年3月に卒業するなら、適用されるのは2.512%。同じ制度、同じ奨学金なのに、金利は約9倍に跳ね上がっている。
上限は3%。あと0.5%もない。
「まだ大丈夫」と言えるような数字じゃない。
Show Me the Money ― 金利2.5%が「あなたの返済」に何をするか
「2.5%って言われても、ピンとこない」という人のために。
第二種奨学金を月5万円×4年間(総額240万円)借りた場合で比較する。
| 卒業年 | 適用利率 | 返還総額(15年) | 利息だけで |
|---|---|---|---|
| 2021年3月 | 0.268% | 約245万円 | 約5万円 |
| 2026年3月 | 2.512% | 約288万円 | 約48万円 |
利息の差は約43万円。借りた額は同じ240万円。卒業した年が違うだけだ。
月8万円×4年間(総額384万円)になると、2.5%での返還総額は約490万円を超えてくる。
利息だけで100万円以上。返済期間は20年。22歳から42歳まで払い続ける計算になる。
結婚、子育て、車、住宅ローン。
人生でお金がかかるイベントと、がっつり重なる20年間だ。
The Trap ― 「見直し方式だから安い」は本当か
「自分は利率見直し方式を選んだから、今は1.7%で済んでる」
そう思っている人がいるかもしれない。だが見直し方式にはワナがある。
返済期間中おおむね5年ごとに、その時点の市場金利で利率が更新される。
今は1.7%でも、日銀がさらに利上げすれば5年後には2.5%、10年後には上限の3.0%に到達する可能性がある。
15年〜20年の返済期間で「次の見直しでいくらになるか分からない」状態が続く。
これはもう、ギャンブルに近い。
重要
利率の算定方式は、貸与終了年度の一定時期まで変更できる。
まだ在学中なら、「見直し方式」から「固定方式」への切り替えが間に合う可能性がある。
学校の奨学金窓口に、今すぐ確認してほしい。
The Hidden Cost ― 奨学金の「見えにくい負担」
全国の大学生のうち、約半数が奨学金を利用している。
平均借入額は約324万円。
だが多くの学生が見落としている”見えにくいコスト”がある。
物価の上昇。食費、光熱費、家賃。すべてがじわじわ値上がりする中で、奨学金の利息まで上がっている。大企業を中心に「初任給アップ」がニュースになっているが、それは全員の話じゃない。中小企業に就職する人、地方で働く人にとっては、給料の伸びよりも物価と利息の伸びのほうが大きい可能性がある。
「借りるのは仕方ない」としても、「いくら借りて、いくら返すのか」を数字で把握しているかどうかで、卒業後の生活はまるで違ってくる。
4 Actions You Can Take NOW ― 在学中の今、動ける4つのこと
❶ 利率方式を確認し、必要なら変更する
自分が「固定方式」「見直し方式」のどちらを選んでいるか、即答できるだろうか。できないなら、まずスカラネット・パーソナルで確認すること。金利上昇トレンドが続く今、固定方式に切り替えて「これ以上は上がらない」状態を作るのは有力な選択肢だ。届出は学校経由で、貸与終了年度の一定時期まで可能。締切は学校ごとに異なるので、窓口で確認を。
❷ 借入額を「今から」減らす
第二種奨学金は、貸与中に月額の減額ができる。「入学時はよく分からなくて多めに設定した」という人は、本当に必要な金額を見直してみてほしい。月1万円減らすだけで、残りの在学期間次第では数十万円の借入減になる。金利2.5%の世界では、減らした分の利息カット効果がこれまでとは段違いだ。
❸ 自治体の返還支援制度・企業の代理返還を調べる
全国の自治体で、奨学金の返還支援に動いている市町村が増えている。返済額の一部を補助する「返還支援型」、条件付きで返済が免除される「返還免除型」。加えて、JASSOの企業代理返還制度に登録している企業も全国で拡大中だ。「どこに就職するか」を考えるとき、給与だけでなく「奨学金を返してくれるかどうか」を判断基準に加えるだけで、返済計画が大きく変わる。
❹ 卒業後の「繰上返済」を視野に入れる
金利2.5%の時代、繰上返済の効果は絶大だ。繰り上げた分の期間の利息はまるごとカットされる。社会人になって少しでも余裕が出たら、投資に回す前にまず奨学金を削る。金利2.5%を「確実にノーリスクで消せる」手段は、繰上返済以外にない。
From the Field ― 現場を走る自営業者のひとこと
俺は自営で電気工事をやっている。
現場を飛び回る中で、奨学金を抱えている若い技術者に何人も出会ってきた。
でもその大半が、自分の金利を知らない。返済総額を把握していない。
「毎月引き落とされてるから、まあいいか」で流している。
金利が0.2%の時代なら、それでも大きなダメージにはならなかった。
だが2.5%は違う。
知らないことが、そのまま”お金の損失”になる時代に入った。
数字は嘘をつかない。だから今のうちに、自分の数字を知っておけ。
まとめ ― Know Your Numbers, Save Your Future
| 確認すること | なぜ今やるか |
|---|---|
| 自分の利率方式(固定 or 見直し) | 変更できるのは在学中だけ |
| 毎月の借入額は適正か | 減額すれば利息が直接減る |
| 返還支援制度・代理返還企業 | 就活の判断基準が変わる |
| 繰上返済のシミュレーション | 金利2.5%なら効果が絶大 |
金利2.3%どころか、2.5%を超えた2026年。
「知らなかった」では済まない。あなたの奨学金、あなたの金利、あなたの返済額。全部、今日中に確認してくれ。
→ スカラネット・パーソナル(JASSO)
→ JASSO返還シミュレーション
→ JASSO 自治体の返還支援検索
本記事のデータはJASSO(日本学生支援機構)および各報道機関の公開情報をもとに作成しています。利率や制度内容は時期により変動します。最新情報は各公式サイトにてご確認ください。


