2026年2月16日
今日から確定申告がスタート。
「今年も同じでしょ?」と思ってるあなた、ちょっと待ってほしい。
2026年提出(令和7年分)の確定申告は、例年とは別物レベルの大改正が入っている。
基礎控除が最大95万円にドカンと引き上げ、扶養の壁は103万円→123万円に移動、新しい控除「特定親族特別控除」が爆誕、iPhoneでのスマホ申告も本格対応──。
自営業者として毎年この時期と格闘している筆者が、「ここだけ押さえれば損しない」ポイントを、わかりやすくまとめた。
📅 まず確認2026年の確定申告スケジュール
申告期間:2026年2月16日(月)〜 3月16日(月)
今年は3月15日が日曜日のため、翌日の月曜日が期限。
還付申告は1月1日からすでに受付中で、5年間遡って申告可能。
振替納税を利用する場合の振替日は2026年4月23日(木)。
延納する場合は6月1日(月)まで可能だが、利子税1.3%がかかるので注意。
🔥 変更点① 基礎控除が”段階式”に→最大95万円へ大幅アップ
これが今年最大の目玉。
従来は合計所得2,400万円以下なら一律48万円だった基礎控除が、所得金額に応じた段階制に変更された。低所得ほど控除額が大きくなる仕組みだ。
基礎控除額の新旧比較
合計所得132万円以下 → 95万円(改正前48万円)
合計所得132万円超〜336万円以下 → 88万円(改正前48万円)
合計所得336万円超〜489万円以下 → 68万円(改正前48万円)
合計所得489万円超〜655万円以下 → 63万円(改正前48万円)
合計所得655万円超〜2,350万円以下 → 58万円(改正前48万円)
合計所得2,350万円超〜2,400万円以下 → 48万円(変更なし)
自営業者への影響
ここが重要。
個人事業主の確定申告義務のボーダーラインは、従来「所得48万円超」だったが、改正後は所得95万円超に変わる。
ただし、青色申告特別控除を受ける場合は期限内申告が必須。赤字繰越のメリットもあるので、所得が95万円以下でも確定申告しておくのが賢明だ。
この改正は令和7年分・8年分の2年間限定の暫定措置。
令和9年(2027年)以降は、132万円超〜2,350万円以下の区分がすべて一律58万円に統一される予定。つまり今年と来年が”特にお得”な2年間ということになる。
🔥 変更点② 給与所得控除の最低保障額が55万円→65万円に
会社員やパートの給与所得者に関わる「給与所得控除」の最低保障額が10万円アップ。
給与収入162万5,000円以下 → 控除額65万円(改正前55万円)
自営業で副業のアルバイト収入がある人も、この新しい控除額が適用される。事業所得と合算する際に注意が必要だ。
🔥 変更点③ 特定親族特別控除が新設(19〜22歳の子を持つ親向け)
大学生の子どもがアルバイトで稼ぎすぎると親の控除が全額消える
この”年収の壁”問題を解消するために作られた新制度。
19歳以上23歳未満の扶養親族の所得に応じて、控除額がなだらかに減る仕組みに変更された。
控除額の早見表(子の給与収入→親が受けられる控除額)
年収123万円超〜150万円以下 → 63万円
年収150万円超〜155万円以下 → 61万円
年収155万円超〜160万円以下 → 51万円
年収160万円超〜165万円以下 → 41万円
年収165万円超〜170万円以下 → 31万円
年収170万円超〜175万円以下 → 21万円
年収175万円超〜180万円以下 → 11万円
年収180万円超〜185万円以下 → 6万円
年収185万円超〜188万円以下 → 3万円
確定申告書第一表に「特定親族特別控除」の記入欄が新設されているので、該当する人は忘れずに記載を。
🔥 変更点④ 扶養の壁が103万円→123万円に
基礎控除と給与所得控除の引き上げに連動して、家族が扶養に入るための年収要件も変更。
改正前:給与収入103万円以下(所得48万円以下)
改正後:給与収入123万円以下(所得58万円以下)
配偶者のパート収入や、子どものアルバイト収入を気にしていた家庭にとっては、20万円分の余裕が生まれた形になる。
💊 医療費控除はどう変わった?
結論:医療費控除の計算ルール自体に大きな変更はない。
従来通り、1年間に支払った医療費の合計額から保険金等の補填額を引いた金額が、10万円(総所得200万円未満なら総所得の5%)を超えた場合に、その超過分が所得控除される(上限200万円)。
ただし注意点が2つある
注意点①:基礎控除アップの”間接効果”
基礎控除が引き上げられたことで、課税所得が下がる
→所得税率が下がる
→医療費控除の還付額が変わるケースがある。
特に所得が境界線近くの人は、今年の医療費控除の効果を改めて計算し直す価値がある。
注意点②:2026年夏からの高額療養費制度見直し
令和8年(2026年)8月から、高額療養費制度が段階的に見直される。
月額の自己負担限度額の引き上げと、年間上限額の新設が予定されている。
これは2025年分(今回の申告分)には直接影響しないが、2026年分以降の医療費控除には影響してくる。高額療養費で戻ってくる金額は医療費控除から差し引く必要があるため、制度変更後は「自己負担額」と「補填額」の計算が変わってくる。
セルフメディケーション税制も引き続き選択可
市販の対象医薬品を年間12,000円超購入した場合に使える
「セルフメディケーション税制」は継続。
ただし通常の医療費控除との併用は不可(選択制)。
ドラッグストアのレシートは捨てずに保管しておこう。
📱 変更点⑤ スマホ申告がiPhoneでも本格対応
これまでAndroidのみだったスマホ用電子証明書での確定申告が、令和7年分からiPhoneにも対応。
マイナンバーカードをスマホに登録しておけば、申告時にカードを物理的に読み取る必要がなくなる。
生体認証(Face ID / Touch ID)でログインしてそのまま送信まで完結できるようになった。
マイナポータル連携の拡大ポイント
新たに連携対象になったもの
生命保険の一時金・年金データ、損害保険の満期返戻金データ、ふるさと納税以外の一部寄附金データ。
源泉徴収票、医療費、ふるさと納税などのデータも一括取得
→自動入力できるので、手入力のミスが減る。
Apple製品を使っている人には朗報だ。
🏠 変更点⑥ 住宅ローン控除の延長+調書方式
子育て世帯等の借入限度額上乗せ措置が、令和7年末入居分まで延長された。
さらに、住宅ローン控除で必要だった「年末残高証明書」に代えて、税務署が金融機関から直接データを受ける「調書方式」が本格化。証明書の添付が不要になるケースが増えている。
🧾 変更点⑦ 確定申告書の様式が変わった
新制度に伴い、確定申告書の第一表・第二表に「特定親族特別控除」の記入欄が追加。
さらに、基礎控除の段階制に対応した記入方法になっているので、昨年までのやり方をそのままコピーすると控除額を間違える可能性がある。
e-Taxや確定申告書等作成コーナーを使えば自動計算されるが、手書きの人は必ず新様式を国税庁サイトからダウンロードして使おう。
⚡ 自営業者が”損しない”ためのチェックリスト
✅ 基礎控除額を正しく確認。 従来の「48万円」ではなく、自分の所得に応じた新しい控除額を適用する。
✅ 青色申告特別控除と基礎控除の合計で節税最大化。 65万円(e-Tax利用)+ 最大95万円 = 最大160万円の控除が取れる可能性。
✅ 医療費の領収書を整理。 高額療養費で戻った分は差し引くこと。マイナポータル連携で医療費データの自動取得が便利。
✅ 扶養家族の年収を再確認。 壁が103万→123万に変わったので、従来「外れた」と思っていた家族が扶養に戻れる可能性あり。
✅ 19〜22歳の子がいる人は特定親族特別控除を忘れずに。 新設された欄に記入しないと控除が受けられない。
✅ e-Taxで申告するならマイナポータル連携を事前設定。 iPhone対応で今年からぐっと楽になった。
✅ 申告書の様式は必ず令和7年分の最新版を使う。 昨年のテンプレートの使い回しは厳禁。
📝 まとめ──2026年確定申告の変更点を一言で
基礎控除が最大95万円に。
扶養の壁は123万円に。
新控除が1つ増えた。
iPhoneでのスマホ申告も解禁。
今年の確定申告は「知っているかどうか」で手取りが変わる。
特に自営業者にとっては、基礎控除の段階制を正しく理解して、取れる控除を全部取ることが最重要ミッション。
期限は3月16日(月)。余裕をもって、今日から動き出そう。
参考情報・出典
国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」 / 国税庁「令和7年分 確定申告特集」 / 国税庁「令和7年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に!」 / マネーフォワード「2026年提出(令和7年分)の確定申告の変更点まとめ」 / 弥生「基礎控除とは?最大95万円に拡大!」 / 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」
※本記事は2026年2月16日時点の公開情報に基づいています。税制の詳細は国税庁の公式情報をご確認ください。 ※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。


