「フリーランスや起業は、若いうちの特権だ」と思っていませんか? 実は、統計データを見ると「個人事業主の割合が急増するのはシニア世代から」という意外な事実が見えてきます。
今回は、総務省のデータなどを参考に、年代ごとの「会社員 vs 個人事業主」の比率の変化と、そこから読み取れるキャリア戦略について解説します。
1. 【20代〜40代】圧倒的に「会社員」の時代
この世代は、組織の中でスキルを磨き、安定収入を得る時期と言えます。
- 会社員(正規・非正規含む): 約90〜95%
- 個人事業主・自営業: 約3〜5%
20代から40代では、大多数が企業に属しています。起業やフリーランスへの転身はメディアで目立ちますが、全体から見ればまだ少数派です。 この時期に独立する人は、ITエンジニアやクリエイターなど「専門スキル」を持った層が中心です。

2. 【50代】変化の予兆「セカンドキャリアの準備」
50代に入ると、少しずつ数字に変化が現れます。
- 個人事業主の割合: 約7〜10% へ微増
役職定年や早期退職制度の利用、あるいは「定年後の準備」として、副業から事業を始めたり、実家の家業を継ぐケースが増えてきます。 会社員としてのゴールが見え始め、「自分の名前で仕事をする」ことを意識し始めるのがこの年代です。
3. 【60代以降】ここが本番!「3人に1人が自営業」の世界
最も大きな変化が訪れるのが60代以降です。定年退職を機に、働き方のバランスが逆転し始めます。
- 65歳以上の働く人: 約20〜30%以上 が個人事業主・自営業
農林水産業を含む場合と含まない場合で変動しますが、会社員の割合はガクンと下がります
なぜシニア層で個人事業主が増えるのでしょうか?
- 再雇用の給与減: 会社に残っても給料が下がるため、「経験を活かして顧問契約」や「得意なことで独立」を選ぶ。
- 自分のペースで働く: フルタイム勤務ではなく、体力に合わせて週3日程度働くために自営を選ぶ。
- シルバー人材・軽貨物など: 定年後に始めやすい個人請負の仕事が増えている。
まとめ:起業は「若者の冒険」ではなく「シニアの現実」
データからわかるのは、「個人事業主という働き方は、実は高齢になるほど一般的になる」ということです。
若い頃の起業は「攻めの独立(一獲千金)」が多いですが、年齢を重ねてからの独立は「守りの独立(長く細く稼ぐ)」という意味合いが強くなります。
「定年したら終わり」ではありません。 会社員時代に培ったスキルや人脈は、60代以降に「個人事業主」として生き残るための最強の武器になります。今のうちから「会社の看板がなくなった自分に何ができるか?」を考えておくことが、将来の「自営の財布」を豊かにする鍵となるでしょう。

