【続報・2026年5月15日更新】4月の有感地震は”9回”に急減――でも気象庁は「収束ではない」と明言
3月に60回を超えた熊本の有感地震は、4月に入って9回まで急減しました。「もう収まったかな」と胸をなで下ろしたくなる数字ですが、気象庁・地震調査委員会の見解は真逆。「熊本地震発生前より活発な状態が継続中」――冷静なファクトを5つに整理します。
① 4月の有感地震 ピーク60回から”9回”へ大幅減
気象庁熊本地方気象台が公開した「熊本県の地震活動概況(2026年4月)」によると、4月に熊本県内で震度1以上を観測した地震は9回。3月の60回から約85%減と、表面的には沈静化したように見えます(気象庁PDF)。
| 月 | 有感地震回数 | 最大震度 |
|---|---|---|
| 2026年3月 | 60回 | 震度4×2回 |
| 2026年4月 | 9回 | 震度2 |
② 地震調査委員会の見解「収まったわけではない」
数字の急減について、TBS NEWS DIGは政府の地震調査委員会の見解を報じています。
「熊本地震の発生前よりも地震活動が高い状況にある」
つまり、3月のピークと比べると減ったが、2016年の本震前と比べるとまだ高水準。「収束した」と判断するのは時期尚早というのが公式見解です(出典)。
③ 日奈久断層帯Sランクは”変わらず”――30年以内16%の数字を直視
地震活動が減ったからといって、長期評価のランクは1ミリも下がっていません。改めて整理します。
| 区間 | 30年以内発生確率 | 想定M | ランク |
|---|---|---|---|
| 日奈久区間(北側) | 6% | M7.3〜7.5 | Sランク |
| 八代海区間(南側) | 最大16% | M7.3〜7.5 | Sランク |
「30年以内16%」は活断層評価の中で最も切迫したSランクに該当します。宝くじ1等の100万倍以上の確率と考えると、その重みが伝わるはずです。
④ 全国で揺れが続く中での”熊本”――関連性は?
参考までに、4月以降の主要な地震を並べると――
| 日付 | 場所 | 規模 | 最大震度 |
|---|---|---|---|
| 2026/4/20 | 三陸沖 | M7.7 | 5強(青森) |
| 2026/5/15 | 宮城県沖 | M6.4 | 5弱(宮城) |
ただし熊本(日奈久断層帯=陸の浅い活断層型)と東北沖(プレート境界型)はメカニズムが完全に別物。「全国で連動して揺れている」というSNSの解釈は事実とは異なります。それぞれ独立したリスクとして備えるのが正解です。
⑤ “数字が減った今”こそやるべき3つのこと
地震活動が静かな今こそ、慌てずに準備できるゴールデンタイムです。
1. 家具固定の”見直し”(買い替えではなく再点検)
1年前に取り付けた突っ張り棒や転倒防止板は、緩んでいる可能性大。今週末に全部押して確認。
2. ハザードマップを”印刷”して玄関に貼る
スマホは停電で使えなくなります。紙の地図に家族の集合場所を赤丸でマーキング。
3. ポータブル電源の”残量チェック”
リチウムイオン電池は自然放電します。月1回の残量確認と、50%以下なら満充電がベスト。
⑥ “減ったから安心”ではなく、”減った今だから準備”
3月の群発で動いた人はそのまま継続を、3月に動けなかった人は今のうちに。地震は「予告して来る」ことはありません。有感地震9回の今が、行動の最後のチャンスかもしれません。
⑦ 関連備品(点検&買い足し)
熊本、まだ揺れている——10年経っても終わらない現実
2016年4月、2度の震度7が熊本を襲った。あれから10年。「もう大丈夫」と思いたい気持ちは痛いほどわかる。
だが、大地は忘れていない。
2026年4月に入っても、熊本県天草・芦北地方では有感地震が繰り返し発生している。4月13日には深夜1時48分にM2.2(震度1)、その8分後の1時56分にM2.6(震度2)と立て続けに揺れた。翌14日15時14分にもM2.6・震度2を観測。震源の深さはいずれも約10km、座標は北緯32.3度・東経130.4度——3月から続く群発地震と同じ場所だ。
地震調査委員会が明言「強い地震、いつ起きてもおかしくない」
4月10日、政府の地震調査委員会が2026年3月の地震活動を正式に評価した。ポイントを整理する。
3月15日〜31日の記録:震度1以上の地震が51回発生。3月15日と21日には最大震度4を2回観測した。
震源の正体:日奈久断層帯の南側「八代海区間」の周辺。この区間は国の長期評価でSランク(最高ランク)に分類され、想定されるマグニチュードはM7.3〜M7.9。30年以内の地震発生確率は最大16%とされる。
小原一成委員長はこう述べた。
「強い地震がいつ起きてもおかしくない状況に変わりはない。日頃から備えを続けてほしい」
「可能性がある」ではなく「いつ起きてもおかしくない」。この言葉の重みを、正面から受け止めたい。
熊本地震10年——初の合同追悼式に250人
2026年4月16日、熊本城ホールで「熊本地震10年犠牲者合同追悼式」が開かれた。熊本県と県内全45市町村が初めて合同で開催し、遺族41人を含む約250人が参列。木村敬知事は「助け合う心を確かなかたちで次の世代へ」と誓った。
あの日、278人の命が失われた。10年の月日が流れても、まだ地面は揺れ続けている。追悼の気持ちは、「備える行動」に変えてこそ意味を持つ。
4月の地震データ一覧
| 日時 | 震源 | M | 深さ | 最大震度 |
|---|---|---|---|---|
| 4/3 11:33 | 天草・芦北 | 2.4 | 約10km | 1 |
| 4/13 01:48 | 天草・芦北 | 2.2 | 約10km | 1 |
| 4/13 01:56 | 天草・芦北 | 2.6 | 約10km | 2 |
| 4/14 15:14 | 天草・芦北 | 2.6 | 約10km | 2 |
※気象庁発表データより。3月は51回の有感地震(うち震度4×2回)を記録。
北海道の電気屋が言うから聞いてほしい——「電源」は命綱
筆者は北海道で電気工事をしながら道内を飛び回っている。2018年の北海道胆振東部地震では道内全域がブラックアウトした。あのとき電気が止まるとどうなるか、身をもって知った。
スマホの充電が切れれば情報が途絶える。冬の北海道なら暖房も止まる。熊本だって真夏にエアコンが止まれば命に関わる。
だからこそ「電源の確保」と「72時間を生き延びるセット」は、地震が来る前に揃えておくべきだと強く思う。
今すぐ備えたい防災グッズ4選
1. 防災セット(1人用・72時間対応)
避難所に持ち出す「最初の3日間」を乗り切るセット。リュック型が主流で、ライト・ラジオ・簡易トイレ・保温シートなど30点前後がまとまっている。
2. ポータブル電源(600Wh〜1000Whクラス)
停電時にスマホ・ノートPC・扇風機など複数機器を同時に動かせる容量帯がおすすめ。リン酸鉄リチウム電池タイプなら充放電サイクル3,000回以上で長寿命。ソーラーパネルとのセットなら長期停電にも対応できる。
3. 長期保存水(7年保存)
水道が止まれば、飲料水の確保が最優先。通常のミネラルウォーターの賞味期限は2年前後だが、7年保存水なら備蓄のローテーション負担が大幅に減る。1人あたり1日3L×3日分=9Lが目安。
4. 非常食セット(5年〜10年保存)
アルファ米・缶詰パン・羊羹など、加熱不要でそのまま食べられるタイプが便利。最近は味のバリエーションも豊富で、ストレスの多い避難生活でも少しだけ心が軽くなる。
今日やること チェックリスト
| やること | 所要時間 |
|---|---|
| ハザードマップで自宅の危険度を確認 | 5分 |
| 家族と避難場所・連絡手段を決める | 10分 |
| スマホに「Yahoo!防災速報」をインストール | 3分 |
| 防災リュックの中身を点検(期限切れチェック) | 15分 |
| ポータブル電源のバッテリー残量を確認 | 1分 |
どれも今日のうちに終わる。「明日やろう」は、地震には通用しない。
まとめ——揺れが教えてくれるうちに動こう
熊本地震から10年。追悼式で誓った「次の世代へ継ぐ」という言葉は、防災を行動に移すことでしか実現しない。
天草・芦北の群発地震は4月に入っても続いている。日奈久断層帯はSランクのまま、静かに力を溜めている。地震調査委員会の「いつ起きてもおかしくない」という言葉が、いまこの瞬間も生きている。
揺れが小さいうちに備える。それが、10年前の犠牲に報いる最善の行動だと思う。
出典: 気象庁 地震情報 / 地震調査研究推進本部「2026年3月の地震活動の評価」 / NHK・TBS・朝日新聞 追悼式報道 / 気象庁熊本地方気象台「熊本県の地震活動概況(2026年3月)」

