個人事業主になると、会社員時代のように会社が守ってくれることはありません。 「何に入ればいいのかわからない」「無駄な保険料は払いたくない」という方のために、2026年現在の制度に基づき、「必須の公的保険」と「事業を守るための民間・任意保険」を整理して解説します。
1. 【必須】公的保険(健康保険・年金)
まずは法律で加入が義務付けられている「基礎」部分です。
① 国民健康保険(国保)または「国保組合」
- 国民健康保険: 市区町村が運営。前年の所得に応じて保険料が決まります。
- 【おすすめ】国保組合(建設国保・文美国保など):
- 同業種の組合が運営する保険。
- メリット: 所得に関わらず保険料が定額のケースが多く、扶養家族が多い場合や高所得の場合に有利になることがあります。
- 2026年の注意点: 2025年12月で従来の健康保険証の発行が終了しました。マイナ保険証への移行が必要です。
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② 国民年金
- 2026年度(令和8年度)の保険料は月額17,920円(※毎年度見直しあり)。
- 将来受け取れる額は「老齢基礎年金」のみ。これだけでは老後は厳しいため、後述の上乗せが必須です。
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2. 【推奨】将来と退職金を作る「上乗せ制度」
個人事業主には退職金がありません。以下の制度で「節税しながら」老後資金を作ります。
① 小規模企業共済
- 「経営者の退職金制度」です。
- メリット: 掛金(月1,000円〜7万円)が全額所得控除になり、高い節税効果があります。廃業時にまとまったお金を受け取れます。
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② iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 自分で運用して年金を作る制度。こちらも掛金が全額控除。
- 2026年のポイント: 制度改正により手続きが柔軟になっています。国民年金基金との合算枠(月額68,000円)をフル活用するのが王道です。
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3. 【事業防衛】現場と自分を守る保険
仕事中の事故や、働けなくなった時のリスクヘッジです。
① 労災保険の特別加入
- 本来は従業員のための保険ですが、建設業や運送業などの個人事業主は「特別加入」が可能です。
- 重要性: 現場でのケガに加え、通勤災害も対象。元請けから加入を条件とされるケースも増えています。
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② 賠償責任保険・就業不能保険(民間保険)
- 賠償責任: 仕事中に「他人の物を壊した」「通行人にケガをさせた」などの事故に備えます。
- 就業不能: 病気やケガで働けない期間の収入減をカバーします(傷病手当金の代わり)。
【2026年5月最新】見落とすと損する制度改正4つ
保険制度は毎年動きます。2026年に確定している主要改正を電気工事の現場目線で整理しました。知らずに放置すると、年間数万円〜十数万円の差が出ます。
① iDeCo「掛金上限アップ」── 2026年12月施行
個人事業主(第1号被保険者)の掛金上限が、月68,000円 → 75,000円に引き上げ予定。年額にして8.4万円の節税枠拡大です。
加入可能年齢も60歳未満から65歳未満へ延長。現役で稼げる50代こそ、フル活用すべきタイミング。
② 社会保険「適用拡大」── 個人事業所も対象に
2025年6月成立の改正で、個人事業所の社会保険適用対象が拡大。短時間労働者の週20時間以上ルールから企業規模要件が撤廃されます。
従業員を雇って事業を伸ばす予定なら、保険料コストの試算は今すぐやっておくべきです。
③ マイナ保険証「完全移行」── 2025年12月で従来証は失効
従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限満了。現在はマイナ保険証または資格確認書が必須です。
国保組合(建設国保など)に加入中の方も、切替手続きの確認を。マイナ未取得の場合、自治体から資格確認書が交付されます。
④ 「国保逃れスキーム」厚労省が緊急通達 ── 2026年3月
マイクロ法人を使った社会保険料削減ビジネスに対し、2026年3月18日に厚労省が通知を発出。安易な節約スキームは規制強化フェーズに突入しています。
「美味しい話」には裏がある時代。正攻法の節税(小規模企業共済・iDeCo・経費計上)で固めるのが結局いちばん安全です。

電気工事の世界で言うなら、保険=アース線です。普段は何もしない、でも事故った瞬間に命を救う。
「払いすぎ」も「払わなさすぎ」もダメ。自分の事業規模・家族構成・年齢に合った最適解を、毎年アップデートしていきましょう。50代こそ、ここを締めるかどうかで老後の景色が変わります。
まとめ:優先順位チェックリスト
「無駄な保険」は避けるべきですが、「必要な経費」としての保険は事業継続の命綱です。リンク先の最新情報も確認し、守りを固めていきましょう。


