「フリーランスは自由でいいな」「パートで扶養内が一番得?」 働き方を選ぶとき、手取りの給料ばかり気にしていませんか? 実はもっと重要なのが「社会保険(厚生年金・健康保険)」に入れるかどうか、という問題です。
今回は、日本の働き手の「比率」と、それぞれの「社会保険加入率(セーフティネットの強さ)」の現実を解説します。
1. 日本の働き手の比率:正社員は「約6割」
まずは、日本全体でどのような働き方をしている人が多いのか、総務省のデータ(労働力調査など)をざっくりと見てみましょう。雇用者(役員を除く)の内訳は以下の通りです。
- 正社員(正規雇用): 約 60〜63%
- 非正規(パート・バイト・派遣など): 約 37〜40%
フリーランスの割合は?
フリーランスは「雇用」ではないため上記の統計には含まれませんが、広義のフリーランス(副業含む)人口は増加傾向にあり、労働力人口の 約 5〜10% 程度と言われています。 つまり、「10人に6人は正社員、3〜4人はパート・バイト、1人はフリーランス」というイメージです。

2. 「社会保険」に入れる確率は?
ここが「自営の財布」を守る上で一番のポイントです。 「社会保険(会社の健保・厚生年金)」は、保険料を会社が半分負担してくれる(労使折半)最強の制度ですが、働き方によって加入率は天と地ほどの差があります。
① 正社員(加入率:ほぼ100%)
- 状況: 入社と同時に強制加入。
- メリット: 老後の年金は「2階建て(国民年金+厚生年金)」で手厚い。病気で休んだ時の「傷病手当金」もある。
② パート・アルバイト(加入率:条件によるが拡大中)
- 状況: 以前は「週30時間以上」が壁でしたが、2022年・2024年の法改正で**「週20時間以上(従業員51人以上の企業)」**なら加入義務が発生しています。
- 加入率の目安: 非正規雇用全体で見ると、約 50〜60% 程度が社会保険に加入しています。
- 注意点: 「扶養内で働きたい(130万円の壁)」という層があえて加入しないケースも多いですが、将来の年金額を考えると加入した方が「得」になるケースも増えています。
③ フリーランス・個人事業主(加入率:0% ※)
- 状況: ここが最大の落とし穴です。原則として、フリーランスは社会保険(厚生年金・協会けんぽ等)には入れません。
- 代わりに入るもの: 全額自己負担の「国民健康保険」と「国民年金」です。
- デメリット:
- 会社負担がないため、保険料が割高に感じやすい。
- 老後の年金が「1階建て(国民年金のみ)」で、満額でも月6万円台。
- 病気で休んでも「傷病手当金」が出ない。
(※ 一部の業種別組合(文芸美術国保など)や、あえて法人化して自分を雇用するケースを除く)
3. まとめ:フリーランスが「最強の財布」を作るには?
データから見えてくるのは、「正社員は自動的に守られるが、フリーランスは自分で守りを固めないと危険」という事実です。
フリーランスや、社会保険に入らないパート・アルバイトの方が将来のためにすべきことは以下の2つです。
- iDeCo(イデコ)やNISAを活用する: 厚生年金がない分、自分で「じぶん年金」を作る(しかもiDeCoなら掛金が全額控除で節税になる)。
- 就業不能保険などを検討する: 傷病手当金がないリスクを、民間の保険や貯蓄でカバーする。
「手取り」だけでなく、「将来もらえるお金」と「守りの制度」を含めて働き方を選ぶのが、賢い自営業者の生存戦略です。

