■ SNSが燃えている
今日、X(旧Twitter)で1つのポストが大バズりしている。
「【悲報】トヨタの残クレ、しれっと金利が6%になっていた。これでもみんな契約するんだろうな…」
リポスト295、いいね1,480超え。
Yahoo!リアルタイム検索の人気ポストにもランクイン。
「残クレ」「トヨタ」がSNSで拡散中だ。
実際にトヨタモビリティ東京の最新シミュレーションを確認すると、残クレ(残価設定型プラン)の金利は6.8%。通常のトヨタクレジットに至っては8.8%。数年前の3%台を知っている人には、衝撃の数字だろう。
■ いつから?なぜ上がった?
トヨタの残クレ金利は、ここ2年で段階的に上がってきた。
| 時期 | 残クレ金利(目安) |
|---|---|
| 2024年前半 | 約3.4%〜3.9% |
| 2025年7月 | 約3.9%〜4.9% |
| 2026年2月現在 | 約5.4%〜6.8%(販売店により異なる) |
背景にあるのは日本の長期金利上昇だ。
日銀の利上げ路線、国債利回りの17年ぶり高水準、これらが自動車メーカー傘下のファイナンス会社の資金調達コストを直撃。
そのコストがそのままユーザーに転嫁されている。
トヨタだけじゃない。
ホンダは新車クレジット5.5%、マツダの残クレも3.9%に上昇済み。
「金利のある世界」が、車の買い方を根本から変えつつある。
■ 金利6%で月々いくら増える?
アルファード(車両価格540万円)を5年残クレで買う場合のざっくりシミュレーション。
| 項目 | 金利3.5%時代 | 金利6.0%の今 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 残価設定率 | 50%(270万円) | 50%(270万円) | ─ |
| 月々支払い(60回) | 約49,000円 | 約55,000円 | +約6,000円/月 |
| 5年間の手数料合計 | 約47万円 | 約81万円 | +約34万円 |
月々6,000円の差。「まあ大したことないか」と思ったあなた。
5年間のトータルでは約34万円多く払う計算だ。
34万円あれば車検1回分、いやそれ以上の出費になる。
しかも最終回に「買い取る」選択をした場合、残価270万円にもこの金利がかかっている。
残クレの金利は”見えにくい部分”にもしっかり乗っているのがポイントだ。
■ それでも契約する理由──残クレの”甘い罠”
じゃあなぜ、金利6%超えでもみんな残クレを選ぶのか。
「月々の支払いが安く”見える”から」──これに尽きる。
540万円のアルファードを普通のローン60回で払うと月々約10万円超え。残クレなら月々5万円台。この”半額感”が強烈に効く。SNSで「残クレアルファード」が揶揄されるのも、この仕組みが「背伸び購入」を可能にしてしまうからだ。
しかし冷静に見ると、残クレの落とし穴は金利だけじゃない。
走行距離制限(年間1,000〜1,500km/月)、カスタム禁止、傷・凹みでの追加精算、そして最終回に「返却」「乗り換え」「買い取り」のどれを選んでも何かしら払うという構造。
月々は安い。でもトータルでは高い。
これが残クレの本質だ。
■ 残クレ vs 現金一括 vs 銀行ローン
アクア(車両価格240万円)5年で比較。
| 支払い方法 | 金利 | 支払い総額 | 月々の目安 |
|---|---|---|---|
| 現金一括 | 0% | 240万円 | ─(一括) |
| 銀行マイカーローン | 約1.5〜3% | 約258万円 | 約43,000円 |
| 残クレ(返却時) | 6.8% | 約231万円※ | 約39,000円 |
| 残クレ(買取時) | 6.8% | 約293万円 | 約39,000円+最終回62万円 |
| トヨタクレジット | 8.8% | 約298万円 | 約50,000円 |
※残クレの「返却/乗り換え」は支払い総額が低く見えるが、手元に車は残らない。
車を”所有”するなら、銀行ローンが最もコスパが良い。
金利1.5〜3%の世界は、ディーラーの6〜8%とは天と地の差だ。
ただし銀行ローンは審査が厳しく、手続きも自分でやる必要がある。その手間を省きたい人がディーラーローンや残クレを選ぶ構図は変わらない。
■ 今から買うならどうすべき?
① 銀行マイカーローンを最優先で検討 住信SBIネット銀行(年1.775%〜)、各地方銀行のマイカーローンなど、ディーラーの半分以下の金利で借りられるケースが多い。審査は厳しめだが、通れば圧倒的に有利。
② 残クレを使うなら「3年以内に返却」前提で 長く乗るほど金利の負担が膨らむ。残クレの唯一の合理的な使い方は「短期間で乗り換える人」だけだ。
③ KINTOも選択肢に トヨタのサブスク「KINTO」は月額定額で保険・税金・メンテナンス込み。金利という概念がないので、金利上昇局面では相対的にお得になる。
④ 中古車という現実解 新車にこだわらなければ、2〜3年落ちの中古車を現金or銀行ローンで買うのが最もコスパが高い。
■ まとめ── The Price of Convenience
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 現状 | トヨタ残クレ金利 約5.4%〜6.8%(販売店による) |
| 原因 | 日銀利上げ・長期金利上昇→資金調達コスト増 |
| 影響 | 5年で手数料が約34万円増(アルファードの場合) |
| 最善策 | 銀行マイカーローン(年1.5〜3%)を検討 |
| 残クレ使うなら | 短期返却前提・月々の”安さ”に惑わされない |
残クレは「便利」だ。だからこそ、その便利さにいくらの”手数料”を払っているかを知っておくべきだ。
金利6%の世界で車を買うなら、立ち止まって計算する5分が、34万円を救う。
参考ソース
- 東洋経済オンライン(Bloomberg)
- ナビクル – トヨタの残クレ・ローン解説
- 日経ビジネス – 金利のある世界でどうなる自動車ローン
- X(旧Twitter)人気ポスト – Yahoo!リアルタイム検索


