2026年2月20日(現地時間)、世界中の市場が固唾を飲んで待っていたニュースが飛び込んできました。
米連邦最高裁判所が、トランプ大統領の「相互関税」を違法と判断しました。
賛成6、反対3という明確な差で、最高裁のジョン・ロバーツ長官が多数意見を執筆。「大統領はIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づいてこうした関税を課す権限を持たない」と断言しました(CNN、2026年2月20日)。
これはトランプ政権の経済政策の根幹を揺るがす歴史的判決です。そしてこの判決は、遠く日本に住むあなたの資産にも、じわりと、しかし確実に影響を与えます。
判決の中身を整理する
今回の判決で「違法」とされたのは、トランプ政権が2025年4月に発動した「相互関税」と、フェンタニル流入阻止を名目とした一部の関税です(毎日新聞、2026年2月20日)。
いずれもIEEPAという大統領緊急権限法を根拠に課されていました。
最高裁は1審・2審の判断を支持する形で、「IEEPAは貿易赤字の是正を目的とした広範な関税賦課を大統領に認める法律ではない」と結論付けました(産経新聞、2026年2月21日)。
ただしすべての関税が無効になったわけではありません。対中追加関税や鉄鋼・アルミ関税など、IEEPAとは別の法的根拠(通商拡大法232条など)に基づく関税は今回の判決の対象外です。また、トランプ政権はすでに「30日以内に上訴する」方針を示しています(時事ドットコム、2026年2月21日)。
1,750億ドルの返還問題
この判決が市場を揺さぶる最大の理由は、過去に徴収した関税の返還義務です。
ロイターによれば、違法と判断された関税に絡む返還額は1,750億ドル超(約26兆円)に上る可能性があります(Reuters、2026年2月20日)。米財務省のベセント長官は「容易に賄える」と強気の姿勢を示していましたが、実際の還付手続きや対象範囲を巡っては、今後も企業訴訟が続出する見込みです(日経新聞、2026年1月9日)。
ウォール街では早くから「関税返還権」を取引する動きがあり、特に高い輸入コストを負担してきた米国企業の株価上昇が期待されています(Bloomberg、2025年10月)。
日本経済・日本株への影響
株式市場:プラス方向
輸入コストの低下により、米国の消費財・小売・製造業の業績改善が期待されます。米国株(特にS&P500・ナスダック)の上昇圧力となり、連動する日経平均にも追い風です。日本からの対米輸出品に課されていた相互関税(最大15%)が失効すれば、自動車・電機・精密機器メーカーなど輸出企業の業績見通しが上方修正される可能性があります。
為替:円高方向へ
関税撤廃はドルの購買力低下要因とみなされ、円高ドル安に振れやすくなります。外貨建て資産(米国株・ドル預金)を保有している場合、円換算での資産価値が目減りするリスクがあります。一方、輸入物価の下落によるインフレ鈍化期待もあり、為替の方向感は今後の展開次第です(fx.minkabu.jp、2026年1月)。
日本企業の対米輸出:プラス
日本は2025年8月の日米合意で相互関税を24%から15%に引き下げていましたが、今回の判決によってその15%さえも法的根拠を失う可能性があります。トヨタ・ホンダなどの自動車メーカー、ソニー・パナソニックなど電機メーカーにとっては、対米輸出コストの大幅な低減が見込まれます。
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▶ 日本株・米国株を持っている人
短期的には株高方向です。特に輸出関連株(自動車・電機・精密機器)と米国消費財・小売株の上昇が期待されます。ただしトランプ政権の上訴・対抗措置次第で乱高下するリスクがあるため、利確のタイミングと損切りラインは事前に決めておくことが重要です。
▶ ドル建て資産(米国株・ドル預金・FX)を持っている人
円高リスクに注意が必要です。ドル安・円高に振れた場合、円換算での資産価値が減少します。為替ヘッジの活用や、ドル建て資産の比率を見直すタイミングとして検討する価値があります。
▶ 金・コモディティを持っている人
関税撤廃によるインフレ懸念の後退で、金価格は一時的に調整する可能性があります。ただし政治的不確実性が続く限り、安全資産としての金への需要は底堅いでしょう。
▶ 何も持っていない人
今は動かないことが最善策の一つです。上訴・対抗措置・議会の動向が固まるまで、市場の乱高下は続く可能性があります。情報をウォッチしながら、余剰資金で分散投資の準備を整えるタイミングとして活用しましょう。
今後の焦点
この判決は「終わり」ではなく「始まり」です。注目すべき今後の動きとして、まずトランプ政権の上訴と対抗措置があります。政権は30日以内の上訴を宣言しており、議会立法による関税権限の再取得も模索するとみられます。次に日米通商協議の行方があり、5,500億ドルの「対米投資イニシアティブ」の枠組みや日本への関税水準が再交渉される可能性があります(東洋経済、2025年11月)。そして市場の乱高下への対応も重要で、判決直後から市場は反応を示しており、向こう数週間は高いボラティリティが続くと予想されます。
まとめ:動揺せず、情報を取りに行く
「トランプ関税が違法」という判決は、確かに歴史的な出来事です。しかしすべての関税が消えるわけでも、市場が一直線に上昇するわけでもありません。上訴・対抗措置・議会の反応という三つの変数が、今後の相場を左右します。
今必要なのは、情報に踊らされず、自分のリスク許容度と資産構成を冷静に見直すことです。
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| # | 媒体・機関 | 記事・資料名 | 掲載日 |
|---|---|---|---|
| 1 | CNN | 「Supreme Court rules Trump’s sweeping emergency tariffs unconstitutional」 | 2026年2月20日 |
| 2 | NBC News | 「Supreme Court strikes down most of Trump’s tariffs」 | 2026年2月20日 |
| 3 | NPR | 「Supreme Court strikes down Trump’s tariffs」 | 2026年2月20日 |
| 4 | Reuters(ロイター) | 「トランプ緊急関税、最高裁が違法判決なら1750億ドル超返還へ」 | 2026年2月20日 |
| 5 | 毎日新聞 | 「米最高裁、トランプ関税は『違法』 一部失効へ 還付要求で混乱も」 | 2026年2月20日 |
| 6 | 産経新聞 | 「米最高裁『相互関税は違法』 1、2審を支持」 | 2026年2月21日 |
| 7 | 時事ドットコム | 「【速報】米連邦最高裁は相互関税を違法と判断した」 | 2026年2月21日 |
| 8 | 朝日新聞 | 「トランプ関税、米最高裁が違法判決 撤回や巨額の返還迫られる可能性」 | 2026年2月20日 |
| 9 | テレ東BIZ | 「米連邦最高裁 トランプ関税は『違法』」 | 2026年2月20日 |
| 10 | 日本経済新聞 | 「トランプ関税、9日にも最高裁判決 『税金返せ』の企業訴訟10倍に」 | 2026年1月9日 |
| 11 | Bloomberg | 「ウォール街、トランプ関税の違法判決に賭け-返還受ける権利を取引」 | 2025年10月26日 |
| 12 | NRI(野村総合研究所) | 「米最高裁が相互関税に違法判決を下せば、トランプ関税策は後退へ」 | 2025年12月24日 |
| 13 | JETRO | 「米相互関税は8月7日から適用、日本には15%」 | 2025年8月 |


