⚠️ まず結論:拡散動画は「最新の失敗」ではない
X(旧Twitter)上で急拡散した「ISTロケット打ち上げ失敗動画」。これを根拠に「税金80億円の無駄遣い」との批判が相次いでいるが、その映像は2018年のMOMO2号機のものだと確認された。約8年前の古い動画が”最近の失敗”のように流通していた典型的な情報拡散トラブルだ。
📋 時系列で整理する
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2018年 | MOMO2号機 打ち上げ失敗(拡散された動画はこれ) |
| 2019年 | MOMO3号機 国内民間初の宇宙空間到達に成功 |
| 2025年11月 | ZEROに日米7機の衛星搭載が決定 |
| 2026年1月 | IST新経営体制を発表・ZERO開発が佳境に |
| 2026年 | フルスケール試験開始予定・射場LC1建設中 |
| 2027年頃 | ZERO初号機 打ち上げ目標(現在開発中) |
⚠️「2026年後半打ち上げ予定」は現時点では未確認。複数の専門メディアでは2027年頃が現実的な目標とされている。
💰 補助金80.7億円は「事実」だが文脈が必要
文部科学省SBIR事業からISTへの補助金が累計80.7億円に上るのは事実だ。一方、トヨタ系を含む民間からの資金調達は446億円超にのぼり、補助金だけに頼った会社ではない。ただし現時点で商業収益はほぼゼロ・赤字継続中という批判にも一定の根拠はある。
宇宙開発は世界的に長期投資が前提の分野だ。SpaceXも創業後10年近く赤字を続けた歴史がある。批判するにしても擁護するにしても、この文脈を抜きに語るのはフェアではない。
🔥 混乱に拍車をかけた「カイロス3号機」同時失敗
2026年3月5日、スペースワンの「カイロス3号機」が打ち上げ68.8秒後に安全システムの誤作動で自爆・飛行中断(1〜3号機すべて失敗)。このニュースが重なったことで、ISTへの批判と混同した情報がさらに拡散した可能性が高い。ISTとスペースワンは別会社であり、カイロス3号機の失敗はISTとは無関係だ。
🔍 今回の騒動から見えること
古い映像が「最新ニュース」として拡散され、感情的な批判に火をつける。
SNS特有の情報リスクの典型例だ。動画の日付を確認するという一手間が、この混乱を防げた。ZEROが北海道大樹町の新射場「LC1」から離陸する日まで、冷静に事実を積み上げて見守りたい。

