熊本、まだ揺れている——10年経っても終わらない現実
2016年4月、2度の震度7が熊本を襲った。あれから10年。「もう大丈夫」と思いたい気持ちは痛いほどわかる。
だが、大地は忘れていない。
2026年4月に入っても、熊本県天草・芦北地方では有感地震が繰り返し発生している。4月13日には深夜1時48分にM2.2(震度1)、その8分後の1時56分にM2.6(震度2)と立て続けに揺れた。翌14日15時14分にもM2.6・震度2を観測。震源の深さはいずれも約10km、座標は北緯32.3度・東経130.4度——3月から続く群発地震と同じ場所だ。
地震調査委員会が明言「強い地震、いつ起きてもおかしくない」
4月10日、政府の地震調査委員会が2026年3月の地震活動を正式に評価した。ポイントを整理する。
3月15日〜31日の記録:震度1以上の地震が51回発生。3月15日と21日には最大震度4を2回観測した。
震源の正体:日奈久断層帯の南側「八代海区間」の周辺。この区間は国の長期評価でSランク(最高ランク)に分類され、想定されるマグニチュードはM7.3〜M7.9。30年以内の地震発生確率は最大16%とされる。
小原一成委員長はこう述べた。
「強い地震がいつ起きてもおかしくない状況に変わりはない。日頃から備えを続けてほしい」
「可能性がある」ではなく「いつ起きてもおかしくない」。この言葉の重みを、正面から受け止めたい。
熊本地震10年——初の合同追悼式に250人
2026年4月16日、熊本城ホールで「熊本地震10年犠牲者合同追悼式」が開かれた。熊本県と県内全45市町村が初めて合同で開催し、遺族41人を含む約250人が参列。木村敬知事は「助け合う心を確かなかたちで次の世代へ」と誓った。
あの日、278人の命が失われた。10年の月日が流れても、まだ地面は揺れ続けている。追悼の気持ちは、「備える行動」に変えてこそ意味を持つ。
4月の地震データ一覧
| 日時 | 震源 | M | 深さ | 最大震度 |
|---|---|---|---|---|
| 4/3 11:33 | 天草・芦北 | 2.4 | 約10km | 1 |
| 4/13 01:48 | 天草・芦北 | 2.2 | 約10km | 1 |
| 4/13 01:56 | 天草・芦北 | 2.6 | 約10km | 2 |
| 4/14 15:14 | 天草・芦北 | 2.6 | 約10km | 2 |
※気象庁発表データより。3月は51回の有感地震(うち震度4×2回)を記録。
北海道の電気屋が言うから聞いてほしい——「電源」は命綱
筆者は北海道で電気工事をしながら道内を飛び回っている。2018年の北海道胆振東部地震では道内全域がブラックアウトした。あのとき電気が止まるとどうなるか、身をもって知った。
スマホの充電が切れれば情報が途絶える。冬の北海道なら暖房も止まる。熊本だって真夏にエアコンが止まれば命に関わる。
だからこそ「電源の確保」と「72時間を生き延びるセット」は、地震が来る前に揃えておくべきだと強く思う。
今すぐ備えたい防災グッズ4選
1. 防災セット(1人用・72時間対応)
避難所に持ち出す「最初の3日間」を乗り切るセット。リュック型が主流で、ライト・ラジオ・簡易トイレ・保温シートなど30点前後がまとまっている。
2. ポータブル電源(600Wh〜1000Whクラス)
停電時にスマホ・ノートPC・扇風機など複数機器を同時に動かせる容量帯がおすすめ。リン酸鉄リチウム電池タイプなら充放電サイクル3,000回以上で長寿命。ソーラーパネルとのセットなら長期停電にも対応できる。
3. 長期保存水(7年保存)
水道が止まれば、飲料水の確保が最優先。通常のミネラルウォーターの賞味期限は2年前後だが、7年保存水なら備蓄のローテーション負担が大幅に減る。1人あたり1日3L×3日分=9Lが目安。
4. 非常食セット(5年〜10年保存)
アルファ米・缶詰パン・羊羹など、加熱不要でそのまま食べられるタイプが便利。最近は味のバリエーションも豊富で、ストレスの多い避難生活でも少しだけ心が軽くなる。
今日やること チェックリスト
| やること | 所要時間 |
|---|---|
| ハザードマップで自宅の危険度を確認 | 5分 |
| 家族と避難場所・連絡手段を決める | 10分 |
| スマホに「Yahoo!防災速報」をインストール | 3分 |
| 防災リュックの中身を点検(期限切れチェック) | 15分 |
| ポータブル電源のバッテリー残量を確認 | 1分 |
どれも今日のうちに終わる。「明日やろう」は、地震には通用しない。
まとめ——揺れが教えてくれるうちに動こう
熊本地震から10年。追悼式で誓った「次の世代へ継ぐ」という言葉は、防災を行動に移すことでしか実現しない。
天草・芦北の群発地震は4月に入っても続いている。日奈久断層帯はSランクのまま、静かに力を溜めている。地震調査委員会の「いつ起きてもおかしくない」という言葉が、いまこの瞬間も生きている。
揺れが小さいうちに備える。それが、10年前の犠牲に報いる最善の行動だと思う。
出典: 気象庁 地震情報 / 地震調査研究推進本部「2026年3月の地震活動の評価」 / NHK・TBS・朝日新聞 追悼式報道 / 気象庁熊本地方気象台「熊本県の地震活動概況(2026年3月)」

