“公務員なら一生安心” — その神話が、2026年2月24日に崩れ落ちた。
室蘭市の市立室蘭総合病院が2027年度をめどに閉院する方針が固まった。医師・看護師・事務職を含む常勤職員約540人(会計年度任用職員含め900〜1,000人規模)の多くが「分限免職」により公務員の身分を失う可能性がある。北海道の地方都市で今、かつてない規模の雇用危機が静かに始まっている。
“分限免職”とは何か — 普通の解雇とどう違う?
まず「分限免職」という言葉を整理しておこう。これは民間の「整理解雇」に相当する公務員制度上の免職処分で、病院や組織が廃止される際に適用される。懲戒免職とは異なり、本人に非はない。しかし結果として公務員の身分を失い、退職金を受け取って職場を去ることになる点は同じだ。
市立室蘭病院の場合、病院事業会計という独立した特別会計が廃止されることで、職員は室蘭市の一般部署への「配置転換」が原則困難となる。医師・看護師・薬剤師・放射線技師など医療専門職は行政職への異動ができないため、分限免職が避けられない職種が大半を占める。
退職金はいくらもらえる?職種別シミュレーション
公立病院職員の退職金は「退職時の基本給 × 支給率 × 調整額」で算出される地方公務員共済の仕組みによる。他の公立病院の閉院・民営化事例では、通常の1.5倍程度の「整理退職割増」が適用されたケースもある(千歳市民病院の事例:通常の約1.5倍、総額約27億円の退職金を市が支払った)。
| 職種 | 勤続年数の目安 | 通常退職金(概算) | 整理退職割増後(推定) |
|---|---|---|---|
| 看護師(勤続10年) | 30代前後 | 約400〜500万円 | 約600〜750万円 |
| 看護師(勤続20年) | 40代前後 | 約1,300〜1,500万円 | 約1,950〜2,250万円 |
| 看護師(勤続30年) | 50代前後 | 約1,000万円超 | 約1,500万円超 |
| 医師(勤続10〜15年) | 40代 | 約600〜800万円 | 約900万円〜1,200万円 |
| 事務職(勤続20年) | 40代 | 約800〜1,000万円 | 約1,200〜1,500万円 |
※あくまで他事例からの推計。室蘭市の最終的な条件は団体交渉・市議会での決定による。
ただし注意すべき重要な点がある。市立室蘭病院の2025年度会計は資金不足比率が20%を超える見込みと報じられており(北海道新聞、2026年1月14日)、退職手当の財源確保自体が市にとって重い負担となっている。「割増退職金が出るかどうか」は予断を許さない状況だ。
職種別・再就職の現実的なルート
医師(41名)は最も市場価値が高い。製鉄記念室蘭病院が2026年度から呼吸器内科・消化器内科・整形外科などで常勤医を増員する方針を発表しており、統合先への転籍が最有力ルートとなる。また日鋼記念病院や道内他病院、民間クリニック開業という選択肢も現実的だ。
看護師・准看護師(約391名)は全国的な人手不足の恩恵を受けやすい職種だ。製鉄記念・日鋼記念・登別市内の医療機関、あるいは札幌圏の病院への転職が想定される。ただし北海道の地方都市という立地上、家族の事情で転居が難しい職員にとっては選択肢が限られる。
事務・その他スタッフ(326名)が最も難しい立場に置かれる。医療事務の経験は他の医療機関でも評価されるが、総務・経理などの行政事務職は地域での求人が少ない。室蘭市が他の公的機関への就職支援をどこまで行うかが鍵となる。
過去の公立病院閉院事例との比較
| 事例 | 規模 | 退職金処理 | 再就職支援 |
|---|---|---|---|
| 千歳市民病院(民営化) | 約200名 | 通常の1.5倍・総額約27億円 | 3年間の給与激変緩和措置あり |
| 北海道・平川病院 | 中規模 | 整理退職割増32〜40% | 市として就職あっせん実施 |
| 市立室蘭総合病院(今回) | 約540名(最大規模) | 交渉中・未定 | 未発表 |
過去事例から見ると、職員への退職金割増と再就職支援は「最低限の誠意」として求められてきた。しかし今回の規模は過去最大級であり、財政的に追い詰められた室蘭市がどこまで対応できるかは未知数だ。
“公務員安泰神話”の崩壊 — これは室蘭だけの話ではない
今回の室蘭の事例は、北海道だけでなく全国の地方公務員に突きつけられた警告だ。人口減少・財政悪化・医療需要の縮小という三重の構造変化は、室蘭以外の自治体でも静かに進行している。「組織が存在する限り、公務員の身分は守られる」という前提が崩れつつある現在、個人レベルでのキャリア防衛が必要な時代に入った。
「組織に守ってもらう時代」は終わった。自分のスキルを市場で売れる人間だけが、次の時代を生き残る。
今すぐ動く人が生き残る — 自衛のための3ステップ
「公務員なら一生安泰」という時代は完全に終わりました。組織に依存せず、個人で稼ぐ力や収入源を分散させる生存戦略として、今のうちに副業・フリーランス向けエージェントやスキルアップのためのオンラインスクールで自衛を始める人が急増しています。
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まとめ — The Real Risk
市立室蘭病院の閉院が突きつける現実は残酷なほどシンプルだ。退職金は支給されても、地方の雇用市場で540人が一度に動けば競争は激化する。医師・看護師などの専門職は比較的ルートがあるが、事務系スタッフの行き先は厳しい。そして何より、この問題は室蘭だけの特別な話ではなく、北海道中・日本中の地方都市で起きうる”次のリスク”の予告編だ。


