Breaking News — 2026年2月24日、北の工業都市に激震が走った。
室蘭市の青山剛市長が本日、経営難の市立室蘭総合病院を2027年度をめどに閉院する方針を固めた。製鉄記念室蘭病院との統合により医療機能を集約する形で、明治期から続く”市民の病院”がその歴史に幕を下ろそうとしている。2026年2月26日開会の市議会定例会で正式表明される予定だ。(情報源:室蘭民報・北海道新聞、2026年2月24日)
何が起きているのか — 事実を整理する
本日の速報を時系列でまとめると、まず青山市長が2024年度の病院事業会計の純損失が18億1,000万円(過去最大、前年比57.2%増)に達したことを受け、閉院の方針を固めた。2025年5月には職員給与の9%削減を労使合意するなど、あらゆる延命措置を講じてきたが、赤字は一向に止まらなかった。2026年2月、市は2025〜26年度の2年間で23億円の緊急支援を一般会計から繰り出すという異例の対応を行ったが、それでも青山市長は「正常な姿でない」と表明。そして本日、ついに閉院の決断が下された。
閉院の理由 — 3つの”限界点”
室蘭市が閉院に踏み切った背景には、3つの構造的な限界がある。
第一に財政破綻リスクだ。赤字が累積し続ければ、室蘭市全体の会計が夕張市と同じ「財政再生団体」に転落する可能性が現実味を帯びてきた。市民サービス全般が機能不全に陥る”第二の夕張”を避けるための、苦渋の決断である。
第二に患者数の構造的な減少だ。室蘭市の人口減少は深刻で、3病院(市立・日鋼記念・製鉄記念)が同一エリアで過剰競合する状況が続いていた。医療需要そのものが縮んでいく中、3院体制の維持は誰の目にも限界だった。
第三に統合協議の頓挫だ。2010年代後半から続いた日鋼記念病院との統合協議は8年間にわたって難航し、2026年1月についに「白紙」となった。残る選択肢は製鉄記念との統合しかなかったのだ。
統合後の医療体制 — どう変わる?
| エリア | 担当病院 | 役割 |
|---|---|---|
| 東室蘭地域 | 製鉄記念室蘭病院(知利別町) | 高度急性期・急性期の中核 |
| 蘭西地域 | 日鋼記念病院(新富町) | 地域の急性期カバー |
| 山手町(市立跡地) | 未定 | 後述 |
製鉄記念室蘭病院は2028年10月に新病棟着工を予定しており、市立病院の機能集約を見据えた建て替え計画が動いている。統合後の運営は製鉄記念が担う見通しだ。
跡地はどうなる?
山手町の市立室蘭総合病院の跡地利用については、現時点で正式な発表はない。ただし、1997年に常盤町から移転新築した比較的新しい建物であるため、以下の可能性が現実的だ。
跡地の活用案としては、まず高齢者福祉施設・介護施設への転用が考えられる。医療需要が急性期から慢性期・介護へシフトしている現状に合致する。次に、行政機能の集約拠点として活用する案もある。室蘭市は人口減少に伴い市内施設の集約を進めており、広大な敷地は魅力的だ。さらに、民間売却・解体という選択肢もあるが、維持コストや立地条件次第となる。いずれにせよ、2026年2月26日の市議会での議論が今後の行方を左右する。
西胆振の医療崩壊リスク — 市民が直面する現実
最も心配されるのは、救急医療と産科・小児科の空白だ。市立病院は西胆振地域唯一の公立総合病院として、採算性の低い診療科も維持してきた。製鉄記念との統合でどこまで機能が引き継がれるか、現時点では不透明な部分が残る。
また、常勤職員約540人(会計年度含め900〜1,000人規模)の大半が「分限免職」となり、公務員の身分を失う可能性がある。地方都市にとって、これだけの雇用喪失は経済面でも深刻な打撃となる。
「市民は病院を失い、職員は職を失い、市は財政を守る」
これが2026年室蘭が直面する三重の喪失だ。
今後のスケジュール(現時点の見通し)
- 2026年2月25日 — 市議会への事前説明
- 2026年2月26日 — 市議会定例会で青山市長が正式表明
- 2026〜2027年 — 現在地での診療継続(段階的移行)
- 2027年度をめど — 閉院・製鉄記念との機能統合完了
- 2028年10月 — 製鉄記念室蘭病院の新病棟着工
電気工事業者・出張ワーカーとして現場から見える景色
道内各地を飛び回る身として思う。病院が消えた町の重さは、数字では語れない。室蘭に限らず、北海道の地方都市では今後も同じ問題が連鎖する。
この問題は室蘭だけの話じゃない。次は苫小牧か、函館か、それとも——。
まとめ
市立室蘭総合病院の閉院方針は、人口減少・財政悪化・統合協議の失敗という三重苦の末の決断だ。製鉄記念との統合で医療機能は一部継続されるが、540人規模の雇用喪失と跡地利用という課題が山積する。2月26日の市議会での議論から目が離せない。


