⚠️ 本日2026年2月28日、米・イスラエルがイランへの攻撃を開始。 北海ブレント原油先物は6〜7ヶ月ぶりの高値圏。「数円単位の値上げ」から「90ドル超の急騰シナリオ」まで、現場の財布が直撃されるリスクが現実になっている。
現場に直撃する「2重の打撃」
原油高が怖いのは、燃料代だけじゃない。電気工事の現場を走る人間なら身に染みてわかるはずだ。車の燃料費が上がる。同時に、工事に使う資材の値段まで一緒に上がる。これが「2重の打撃」の正体だ。
打撃① 燃料費の直接コスト増
全国レギュラーガソリンはすでに157円台で4週連続値上がり中(2026年2月24日時点)。石油情報センターは「来週は数円単位の値上げ」を予測しており、攻撃開始を受けてさらなる上昇が確実視される。
北海道内を走る出張型の電気工事業者にとって、月間の走行距離は都市部の比ではない。たった5円の値上がりでも、月3,000km走れば燃費15km/Lとして、月200Lの消費 × 5円 = 月1,000円の増加。年間で換算すれば約1.2万円が消える。10円上がれば2.4万円だ。
| ガソリン値上げ幅 | 月200L消費の場合 | 年間コスト増 |
|---|---|---|
| +5円/L | +1,000円/月 | +12,000円 |
| +10円/L | +2,000円/月 | +24,000円 |
| +20円/L | +4,000円/月 | +48,000円 |
📌 朗報もある。2026年4月1日、軽油の暫定税率(17.1円/L)が廃止される。ハイエースやキャラバンでディーゼル車を使う職人には、中東リスクに対する部分的な緩衝材になる。
打撃② 電設資材・建設資材の値上がり
これが見落とされがちな「隠れたコスト増」だ。電線・ケーブルの被覆に使うPVC(塩化ビニル)、配管用の塩ビ管、絶縁テープ、保護チューブ、
これらは全部石油化学製品だ。原油高は製造コストに直撃し、輸送コストにも上乗せされる。
日本建設業連合会(2026年2月)のデータでは、建設資材物価が2021年1月比で37%上昇。全建設コストは25〜29%増という深刻な水準に達している。電設資材メーカーも2026年に入り続々と価格改定を実施中だ。
今回のホルムズ有事でさらに上積みされるシナリオは十分ある。見積もりを出してから工期が長い現場ほど、資材価格の変動リスクを抱え込むことになる。
打撃③ 電気代・光熱費の間接コスト増
事務所・倉庫・工場の電気代、ガス代も同時に上がる。LNGも8割以上がホルムズ海峡経由だからだ。燃料費調整制度を通じて電気代に反映されるまでにタイムラグがあるが、長期化すれば固定費が静かに膨らんでいく。
今すぐできる5つの対策
現場で実際に動ける話だけを並べる。
- ① 軽油・灯油は早めのまとめ買い — タンクに余裕があれば、攻撃開始直後の今が比較的安い最後のタイミングの可能性がある。在庫管理をしながら価格の落ち着きを見極める。
- ② 見積もりに「資材価格変動条項」を入れる — 工期が1ヶ月以上かかる案件は、資材費の変動を契約に盛り込む交渉を発注者と行う。国土交通省も推奨している対応だ。
- ③ ETC・ガソリンカードで経費の見える化 — 燃料費をカード払いに一本化してポイント還元を得つつ、月次でコストを正確に把握する。現金払いでは「いくら使ったか」が曖昧になりがちだ。
- ④ 電設資材の先行発注・ストック — 価格改定のタイミング前に発注する、いわゆる「駆け込み仕入れ」は有効な手だ。倉庫スペースと資金繰りのバランスを見ながら判断する。
- ⑤ 省燃費ルートの徹底 — 北海道の出張は距離が長い分、ルート最適化の効果も大きい。Googleマップの最短ルートより、信号が少なく流れの良い道を選ぶだけで燃費が5〜10%変わる現場もある。
【続報・2026年5月14日更新】2.5か月で見えた答え——原油は急騰、軽油は減税、ホルムズは”半開放”へ
「最悪のシナリオに備える」と書いた2月28日から、現場は本当にそのシナリオを走り始めた。
① 原油価格:本当に「90ドル超」が現実に
| 指標 | 2月28日時点 | 2026年5月13日時点 |
|---|---|---|
| WTI | 80ドル前後 | 101.02ドル/バレル |
| ブレント | 90ドル超え兆候 | 約120ドル/バレル(4月平均) |
| HSBC見通し | — | 2026年平均95ドルへ上方修正 |
ホルムズの「事実上閉鎖」がBP・HSBCら大手金融に長期化前提として織り込まれた。
② ガソリン全国平均:政府補助金で「ギリ持ちこたえ」
| 日付 | 全国平均(円/L) | 状況 |
|---|---|---|
| 4月27日 | 169.7円 | 3週連続値上がり |
| 5月11日 | 165.9円 | 横ばい |
| 5月14日〜 | — | 補助額42.6円/L適用中 |
政府の燃料油価格激変緩和補助がフル稼働中。これがなければ実勢は200円台へ届いていた可能性が高い。
③ 軽油暫定税率:予定通り4月1日に廃止——ディーゼル勢に恩恵
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 廃止対象 | 軽油引取税 暫定税率分(17.1円/L) |
| 廃止日 | 2026年4月1日 |
| ガソリン側 | 既に2025年12月31日に廃止済み |
| トリガー条項 | 暫定税率廃止で事実上の役割終了 |
ハイエース・キャラバン等ディーゼル車を使う電気工事業者には、実質的な減税効果が始まっている。出張型一人親方にとって、原油高の緩衝材として機能中。
④ ホルムズ海峡:5月14日、米中首脳会談で”開放維持”合意
- 5月14日、米中首脳会談でホルムズ海峡が「開放された状態であるべき」で一致。
- 同日、ENEOS関連原油タンカーが封鎖後2隻目として通過(news every.報道)。
- ただし「停戦交渉が進展している」と「ホルムズ海峡再開」は時間軸が違うとの専門家分析あり。原油・LNG・物流・保険の4軸が同時に正常化するには時間がかかる。
⑤ 建設資材物価指数:4月分が5月7日公表、上昇トレンド継続
- 建設物価調査会が2026年4月分の建設資材物価指数を5月7日更新。
- 「10年間で40〜50%上昇」のトレンドは継続。
- 電線・ケーブル・塩ビ管など石油化学系資材は依然として高止まり。
⑥ ゼネコン4社、過去最高益——「価格転嫁できた者が勝った」
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 大成・鹿島・きんでん・エクシオ等4社 | 2026年3月期、8年ぶり過去最高益 |
| 営業利益 | 前期比5割増 |
| 要因 | 建設業法改正により価格転嫁がしやすくなった |
大手は価格転嫁に成功している。中小・一人親方こそ、見積もりへの「資材価格変動条項」追加と発注者交渉を、いま改めて徹底すべき局面。
⑦ 5月14日時点・現場の「再点検3点」
- ガソリンカード明細の月次チェック——補助額42.6円が正しく反映されているか確認。
- 見積書に「資材価格変動条項」を明記——工期1か月超の案件は特に必須。
- 軽油使用車の総コスト再計算——4月以降の17.1円減税で、ディーゼル化メリットが拡大している可能性。
情報源:Bloomberg速報(2026-02-28)、TBSニュースDIG(2026-02-26)、日本建設業連合会パンフレット(2026-02-02)、電設資材価格改定情報(2026-01-03)、軽油暫定税率廃止関連各社レポート(2026年2月)
⚠️ 本記事は2026年2月28日時点の速報情報に基づきます。状況は急変する可能性があります。


