「年金って難しそう…」と思っているあなたへ
大丈夫です。ゆっくり一緒に見ていきましょう。
「厚生年金の満額っていくら?」
「44年ってよく検索されてるけど何のこと?」
最近こんなキーワードが急上昇しています。
しかも2026年4月から年金額が改定されて、ちょっと増えたばかり。
この記事では、年金の仕組みに詳しくない方でも「なるほど、そういうことか」と思えるように、できるだけやさしい言葉で説明していきます。難しい専門用語が出てきたら、そのつど解説を入れるのでご安心くださいね。
まず超基本!年金は「2階建て」
日本の公的年金は、大きく分けて2種類あります。
1階部分=国民年金(基礎年金)
日本に住んでいる20歳〜60歳のすべての人が対象。自営業の方も、会社員の方も、みんなが入る”土台”の年金です。
2階部分=厚生年金
会社員や公務員など、お給料をもらって働いている人が「1階に上乗せ」で入る年金です。
つまり会社員の方は、老後に国民年金+厚生年金の”2階建て”で年金がもらえます。自営業の方は1階部分だけなので、その分もらえる金額が少なくなります。
かめきちさんのような自営業(電気工事)の方は基本的に1階部分のみ。
ただし法人化していたり、以前会社員だった期間がある方は厚生年金も対象になります。
2026年4月の年金額はこうなった
ちょうど今日(2026年4月1日)から、年金額が改定されました。4年連続のプラス改定です。
| 項目 | 2026年度(今年) | 前年度比 |
|---|---|---|
| 国民年金(満額・1人分) | 月額 7万608円 | +1,300円(+1.9%) |
| モデル夫婦の厚生年金 | 月額 23万7,279円 | +4,495円(+2.0%) |
※モデル夫婦=会社員の夫(平均月収45.5万円・40年勤務)+専業主婦の妻、という想定です。
「モデル夫婦で約23.7万円」と聞くと、意外と少ないと感じる方もいるかもしれません。でもこれはあくまで”平均的なモデルケース”。実際にもらえる金額は、お給料の額や働いた年数によって一人ひとり違います。
厚生年金の「満額」って何?
ここが少しややこしいポイント。
実は厚生年金には、国民年金のような明確な「満額」という概念がありません。
国民年金は「40年間(480ヶ月)きっちり保険料を払えば満額=月7万608円」とハッキリ決まっています。これがいわゆる”満額”です。
一方、厚生年金は「お給料が高い人」×「長く働いた人」ほどたくさんもらえる仕組み。天井がないわけではありませんが、収入と加入期間で金額が変わるので、「満額いくら」と一言では言えないんですね。
ざっくりイメージすると、こんな感じです。
| 平均月収(賞与込み) | 加入期間 | 厚生年金の目安(月額) |
|---|---|---|
| 30万円 | 40年 | 約10万円 |
| 45.5万円(平均的) | 40年 | 約16.7万円 |
| 65万円(上限に近い) | 40年 | 約22万円 |
※上記は厚生年金部分のみ。実際はこれに国民年金(約7万円)がプラスされます。
「44年」がトレンド入りしている理由
検索で「厚生年金 44年」が急上昇しているのは、**「44年特例」**という特別な制度があるからです。
44年特例ってなに?(超わかりやすく)
正式名称は「長期加入者の特例」。ものすごくざっくり言うと、こういうことです。
厚生年金に44年(528ヶ月)以上加入した人が退職すると、65歳より前にもらえる年金がぐんと増える特例制度
通常、65歳より前にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」は「報酬比例部分」だけです。でも44年特例に該当すると、そこに「定額部分」(≒国民年金に相当する部分)が上乗せされます。
どのくらい増えるの?
| 区分 | 44年特例なし | 44年特例あり |
|---|---|---|
| 65歳前にもらえる年金 | 報酬比例部分のみ | 報酬比例部分 + 定額部分 |
| 定額部分の上乗せ額 | なし | 年間 最大約77〜78万円(月額 約6.5万円) |
年間で約77万円の上乗せは相当大きいですよね。65歳までの数年間これが加算されるので、トータルでは数百万円の差になることもあります。
44年特例の条件(3つすべて必要)
厚生年金の加入期間が44年(528ヶ月)以上あること
「特別支給の老齢厚生年金」の対象年齢であること(男性は昭和36年4月1日以前生まれ、女性は昭和41年4月1日以前生まれ)
退職して厚生年金の被保険者でなくなっていること(=働いていないか、厚生年金に加入しない働き方をしていること)
ここが大事なポイントです。会社員として働き続けている間は44年特例は適用されません。退職(または短時間勤務への切り替え)が必要になります。
正直な話:対象者はかなり限られます
44年間ずっと厚生年金に加入するには、例えば18歳から62歳まで一度も途切れず会社員として働き続ける必要があります。高校卒業後すぐに就職して、44年間ずっと厚生年金に入り続けた方が対象ということ。大学に4年通った方は、最短でも22歳スタートなので、66歳まで働いても44年に届きます。しかし特別支給の年齢要件との兼ね合いがあるため、実際に恩恵を受けられる方はかなり限定的です。
「自分は対象かも?」と思った方は、後述の「ねんきんネット」で加入期間を確認するのが一番確実です。
2026年4月からのもう一つの大きな変更
44年特例とは別に、在職老齢年金の基準額が大幅に引き上げられました。
| 項目 | 改定前(〜2026年3月) | 改定後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 年金が減額される基準 | 月額 51万円 | 月額 65万円 |
これは「働きながら年金をもらっている人」にとって大きなニュース。お給料+年金の合計が月65万円を超えなければ、年金が減額されなくなりました。「働くと年金が減るから損」というイメージがありましたが、この基準引き上げで、かなりの方が年金を減らされずに働けるようになります。
【続報・2026年5月15日更新】年金制度改正法”本格始動”――4月から段階施行、12月にはiDeCo70歳まで拡大の衝撃
本記事公開後、年金まわりは”制度改革の年”に突入した。2025年6月13日成立の年金制度改正法が、2026年4月から段階的に施行開始。短時間労働者の社会保険加入拡大、iDeCo加入年齢70歳未満への引き上げ、年金生活者支援給付金の3.2%増額など、ボディブローのように効く改正が並ぶ。”44年特例”の枠を超えて、自分の老後設計を見直すタイミングだ。出典:厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
① 2026年4月施行ぶん――”今すぐ”効くもの
| 改正項目 | 内容 |
|---|---|
| 年金額改定 | 国民年金+1.9%(月7万608円)、厚生年金+2.0%(モデル夫婦23万7,279円)※本文の通り |
| 年金生活者支援給付金 | +3.2%増額改定 |
| 在職老齢年金 基準額 | 月51万円→月65万円に引き上げ(本文記載どおり、最終確定) |
| 受給開始時期の選択肢 | 75歳までの繰下げ選択がさらに浸透 |
出典:日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html
② 2026年10月以降――”短時間労働者”の常識が変わる
2025年6月成立の改正法で、これまで「従業員50人超の企業」のみだった短時間労働者の社会保険適用が、段階的に企業規模要件を撤廃へ。パート・アルバイトでも条件を満たせば厚生年金加入が原則化していく方向。出典:ProSTAFFクラウド https://www.prostaffcloud.jp/knowledge/250623law-amendment_article.html 、CloudSign https://www.cloudsign.jp/media/nenkinseidokaiseihou/
影響を受ける人:週20時間以上働く配偶者扶養内パート、自営業者の家族従業員、副業中の会社員など。「働き方を変えるなら今のうち」という相談がFP界隈で急増中。
③ 2026年12月施行――iDeCo加入可能年齢が”70歳未満”に拡大
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年12月〜) |
|---|---|---|
| iDeCo加入可能年齢 | 65歳未満 | 70歳未満 |
| 自営業者の月額上限 | 6万8,000円 | 据え置き(要確認) |
| 企業年金の情報開示 | 任意 | 厚労省が情報集約・公表 |
50代の自営業(電気工事のような現役バリバリ層)にとって、これは大きい。加入期間が5年延びれば、節税効果も運用益も積み増せる。出典:楽天証券 https://dc.rakuten-sec.co.jp/about/revised/202505/
④ 短時間労働者向け”保険料軽減特例”の新設
新たに社会保険加入対象となった短時間労働者には、最大3年間の保険料負担軽減特例が設けられた。「いきなり手取りが減る」ショックを緩和する措置。出典:coel-inc https://manage.coel-inc.jp/blog/pension-system-reform-explained/
⑤ “44年特例”はどうなる?――特例自体は維持、ただし対象はさらに先細り
本文で解説した44年特例は、今回の改正で廃止はされていない。ただし対象は「男性は昭和36年4月1日以前生まれ、女性は昭和41年4月1日以前生まれ」のまま固定のため、新規該当者は時間とともに減っていく運命。今、自分が44年に近い加入歴を持つ方は、ねんきんネットで正確な加入月数を必ず確認しておきたい。
⑥ 自営業(電気工事など)が今すぐ打つべき3手
ひとつ、付加年金400円/月をまだ払っていないなら即加入。2年で元が取れる最強コスパは改正後も健在。
ふたつ、iDeCo拠出枠の前倒し活用。2026年12月の70歳未満拡大を見越して、50代でも”あと20年”を運用期間に組み込める。月額6万8,000円の所得控除は事業所得との相性も抜群。
みっつ、短時間労働者の家族がいるなら社保加入シミュレーション。配偶者の扶養範囲の常識が変わる年。世帯手取りの再設計を社労士やFPに相談しておくと安心。
⑦ 1年のタイムライン
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年6月13日 | 年金制度改正法 成立 |
| 2026年4月1日 | 年金額改定(+1.9〜2.0%)、在職老齢65万円基準スタート |
| 2026年4月 | 年金生活者支援給付金 +3.2% |
| 2026年10月〜 | 短時間労働者 社会保険適用拡大(段階施行) |
| 2026年12月 | iDeCo加入可能年齢 70歳未満に拡大 |
| 2027年10月〜 | 中小企業含む全規模で短時間労働者の加入対象化が本格化 |
おすすめアイテム・書籍
- 図解 いちばん親切な年金の本(最新版・Amazon)
- 年金制度改正法 解説本(楽天)
- 自営業のためのiDeCo・国民年金基金入門(Amazon)
- ねんきんネット活用ガイド本(楽天)
- 50代から始める老後資金の作り方(Amazon)
自分の年金額を調べる方法
「で、結局自分はいくらもらえるの?」が一番気になりますよね。調べる方法は2つあります。
方法① ねんきんネット(おすすめ)
日本年金機構が運営する無料のWebサービスです。自分の年金記録や将来の見込み額がオンラインで確認できます。
やることは3ステップだけ。
ステップ1 — ねんきんネットにアクセス
ステップ2 — マイナンバーカードまたは基礎年金番号で新規登録
ステップ3 — ログインして「年金見込額試算」をクリック
スマホからでもできます。登録は10分くらいで終わるので、この記事を読み終わったら、ぜひ一度チェックしてみてください。
方法② ねんきん定期便
毎年誕生月に届くハガキ(または封書)です。35歳・45歳・59歳の節目には、より詳しい内容の封書が届きます。届いたらポイっと捨てずに、一度じっくり見てみてくださいね。「これまでの加入実績に応じた年金額」という欄に、今の時点での見込み額が書いてあります。
自営業(国民年金だけ)の方が年金を増やす方法
かめきちさんのように自営業で国民年金のみの方は、厚生年金の恩恵を受けにくい立場です。でも、年金を増やす方法はちゃんとあります。
付加年金 — 月額400円を上乗せして払うだけで、将来の年金が増える制度。2年で元が取れるコスパ最強の制度です。
iDeCo(イデコ) — 自分で積み立てる「じぶん年金」。掛金が全額所得控除になるので、節税しながら老後資金を作れます。自営業の方は月額最大6万8,000円まで拠出可能。
国民年金基金 — 自営業者専用の「2階建て」を作れる制度。iDeCoとの併用も可能です。
まとめ|焦らなくて大丈夫です
厚生年金の「満額」や「44年特例」の意味、なんとなくつかめましたか?
ポイントをおさらいすると、こうなります。
厚生年金には国民年金のような”満額いくら”がない。 収入×加入期間で決まる。
44年特例は、44年以上加入して退職した人だけが使える特別ルール。 年間最大約77万円の上乗せ。ただし対象者は限定的。
2026年4月から年金額がアップ。 国民年金は月7万608円(+1.9%)、モデル厚生年金は月23万7,279円(+2.0%)に。
在職老齢年金の基準も月65万円に緩和。 働きながらでも年金が減りにくくなった。
年金の仕組みは一度に全部理解しようとすると頭がパンクします。少しずつ、自分のペースで。「ねんきんネット」で自分の数字を見るだけでも、かなり安心感が違いますよ。
老後を少しでも安心して迎えられるよう、応援しています。
もっと詳しく知りたい方へ|おすすめ書籍
年金の基礎を学びたい方
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