「未成年なので答えられません」
その一言は、守るための盾にもなる。でも同時に、不信を増やす火種にもなる。
今回のポイントはシンプルです。
“未成年だから説明ゼロでOK”なのか?
結論から言うと、未成年保護は絶対に必要。でもそれは、学校が何も語らなくていい理由とイコールではない。ここを感情じゃなく、論点で分けます。
まず前提:学校が守るべき「未成年の壁」は本物
未成年が関わる事件は、実名・顔・特定につながる情報が出た瞬間に二次被害が爆発します。
だから、学校が「個別の詳細は言えない」という判断をするのは、危機管理として理解できます。特に“被害者が特定される”方向の情報は、絶対に出しちゃダメです。
でも“説明拒否”が炎上する理由:人が知りたいのは「個人情報」じゃない
世間(保護者・在校生・OB・地域)が知りたいのは、犯人探しよりも――
「何が起きたのか(概要)」
「被害拡大を止めたのか」
「再発防止は何をやるのか」
「相談ルートは機能していたのか」
こういう仕組みの話です。個人が特定されない範囲で、説明できることは普通にあります。説明がゼロだと、そこに憶測が入り込む。
弁護士の見解(要点):軽いノリでも、法的には重い
弁護士JPニュースでは、今回のような事案について、行為がどの類型に当たり得るか(製造・提供など)や、拡散行為の重さを整理しています。
ポイントはここ。
- 未成年でも成立する犯罪類型がある(「未成年だからセーフ」ではない)
- “回す/送る/共有する”側も処罰対象になり得る(軽率の代償が大きい)
- 手続きとしては、少年事件では家庭裁判所の判断へ進む流れになる(成人事件と同じノリでは語れない)
要するに、学校が「捜査・手続きが進行中で詳細は言えない」と慎重になる背景はある。でも同時に、だからこそ“説明の設計”が必要って話になります。
学校の公式コメント系(報道で紹介された内容)をどう読むか
高校野球メディアの記事では、学校側が謝罪文を掲載し、報道内容を「概ね事実」と認識していること、警察に相談し対応したこと、今後は教育やSNS指導を徹底する旨などが紹介されています。
ここで大事なのは、“謝ったかどうか”より
「具体的に、何を再発防止としてやるのか」が見えるかどうか。
抽象的な反省は、炎上を止めない。
じゃあ結論:「未成年だから」は“万能カード”じゃない
通用する/しないを雑に言うより、分けるのが正解です。
- 通用する領域:個人が特定される情報、被害内容の詳細、関係者の実名・学年・所属など
- 通用しにくい領域:被害拡大防止の手順、相談窓口、再発防止策、学校としての安全配慮の体制
つまり、学校が取るべき最適解は
「言えないことは言わない。でも、言えることは言う」
このバランスです。
参照・引用
[1]高校野球ドットコム(HB-NIPPPON)「日大三が公式サイトで『不適切動画の拡散について』謝罪…」
https://www.hb-nippon.com/articles/11150
[2]テレビ朝日(ANN)「日大三高野球部員2人を書類送検へ…」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000484994.html
[3]弁護士JPニュース「日大三高・野球部員を『児童ポルノ禁止法違反』の疑いで書類送検…今後の流れは?」
https://www.ben54.jp/news/3194
(※本記事は一般向け解説で、個別案件への法的助言ではありません)


