
クレジットカード決済代行会社「全東信」(大阪市中央区)が2026年7月6日、大阪地裁で破産手続きの開始決定を受けました。負債額は1151億6491万円(申立書ベースでは1259億円とも報じられる)で、今年最大の倒産です。「粉飾」という言葉が飛び交っていますが、そもそも粉飾とは何なのか、そして加盟店側は何に困っているのか、事実だけを整理します。
粉飾決算とは何か
粉飾決算とは、会社の業績や財務状況を実際より良く見せるために、決算書のデータを不正に操作することを指します。全東信のケースでは、東京商工リサーチや報道によると、銀行の預金残高を約170億円水増しするなど、少なくとも20年前からこの手口を続けていた疑いが指摘されています。帳簿上の純資産は約24億8000万円とされていましたが、実際の粉飾額はこれを大きく上回り、債務の弁済が不可能な状態に陥っていたとみられます。
なぜこんな手口が可能だったのか。全東信のビジネスモデルは、飲食店などが受け取るはずのクレジットカード売上金を早期に立て替え払いするというもの。店側は早く現金を得られる代わりに手数料を支払う仕組みで、資金繰りは主に銀行融資に依存していました。粉飾によって「経営は健全」と見せかけ、融資を継続してもらうための帳簿操作を続けていたとされています。
加盟店側が今、直面している問題
破産の影響を最も強く受けているのが約2万店の加盟店です。主な問題点は次の通りです。
- 売上金の未入金:カード決済分の立替払いが止まり、店に入るはずだった売上金(未払い立替金は約217億円との報道)が回収できない状態に。
- 決済端末の利用停止:全東信経由のクレジットカード決済がそのまま使えなくなり、「現金のみ」対応を迫られる店舗が急増しています。
- 客足・予約への実害:日経の報道によれば、決済不能で客足が4割減ったステーキ店や、法人予約の3割がキャンセルとなった焼鳥店など、経営への直接的なダメージも出ています。
- 連鎖倒産リスク:日本飲食団体連合会などが支援を呼びかけるほど、事態は「差し迫った問題」となっています。
SNS・現場の声
X(旧Twitter)や街の声では、「まさか決済が使えなくなるとは」「売上金がいつ戻るか分からず不安」といった飲食店経営者の困惑が多数見られます。金融機関側からも「経営破綻は読めなかった」という声が報じられており、63の金融機関が債権回収に苦慮している状況です。一方で、「昔から夜の街の“駆け込み寺”として重宝されていたのに」と、審査が通りにくかった店舗を長年支えてきた側面を惜しむ声も一定数あります。
加盟店が今すぐ検討すべき対応
決済が止まった店舗にとって最優先は代替の決済サービスへの切り替えです。導入スピードや手数料を比較検討する際は、以下のようなサービスが候補として挙げられています。
Square、STORES決済、楽天ペイターミナルなど、審査スピードや初期費用が異なる複数サービスが乗り換え先として比較されているため、自店の業態や資金繰り状況に合わせて選ぶことが重要です。
まとめ
全東信の粉飾決算は、預金水増しなど20年にわたる帳簿操作の末に発覚しました。加盟店側は売上金の未回収と決済停止という二重の打撃を受けており、代替サービスへの早急な切り替えが経営継続の鍵となりそうです。続報は随時更新予定です。

