公開情報の確認日:2026年8月2日
災害時、売上金や商品、私物より優先すべきものは何か。熊本県の生活雑貨店運営会社・株式会社ハビタをめぐる報道を受け、企業と店舗が取るべき初動対応を整理します。
まず結論|一度避難した人を戻さない
地震・火災・ガス漏れなど、建物の安全が確認できていない段階では、売上金、商品、鍵、私物を理由に従業員を店内へ戻してはいけません。
最優先は、ただ一つです。
従業員・顧客・取引先の命を守ること。
建物への再入場は、施設管理者や消防・警察などから安全確認が出た後に限るべきです。現場責任者の判断が曖昧なまま、個人に対応を委ねることも避けなければなりません。
株式会社ハビタとは
株式会社ハビタは、熊本市南区に本社を置く生活雑貨・コスメの企画、製造、販売を行う会社です。
公式サイトによると、1976年に熊本で創業し、熊本・福岡・佐賀・大分・宮崎に15店舗とオンラインショップを展開しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ハビタ |
| 創業 | 1976年 |
| 本社所在地 | 熊本県熊本市南区 |
| 主な事業 | 生活雑貨・コスメの企画、製造、販売 |
| 店舗 | 九州5県に15店舗(公式サイト掲載) |
報道された出来事と、今後の調査
2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震では、熊本県嘉島町のイオンモール熊本で爆発事故が起きました。
8月2日の報道では、株式会社ハビタの幹部が取材に応じ、避難後の従業員に対して、売上金を金庫へ移す目的で館内へ戻るよう指示したことを認め、謝罪したと伝えられています。
ただし、事故の原因、建物内の安全確認、指示と被害の関係、法的責任については、今後の警察・消防などによる調査や関係機関の発表を待つ必要があります。
未確認情報やSNS投稿だけで、責任の所在を断定しないことが大切です。
災害時、企業が最初に行うべき5つ
1. 避難を最優先にする
地震直後は、余震、火災、ガス漏れ、天井・壁・設備の落下など、危険が連鎖します。
店舗や事務所では、売上金・在庫・パソコン・鍵の管理より先に、次を確認します。
- 来店客は全員避難できたか
- 従業員の点呼は済んだか
- けが人はいないか
- 避難場所は安全か
- 建物に戻らないよう共有できているか
2. 「戻らない」をルール化する
災害時に判断がぶれると、現場は危険になります。
売上金や商品を理由に再入場する行為は、原則として禁止にします。再入場が必要な場合も、施設管理者・消防・警察などの安全確認後に、責任者が判断する仕組みが必要です。
現金や商品は再調達できても、人の命は戻りません。
3. 指揮命令系統を一本化する
「誰が指示を出せるのか」が曖昧だと、善意の判断が事故につながることがあります。
最低限、次の担当を決めておきましょう。
| 担当 | 災害時の役割 |
|---|---|
| 統括責任者 | 避難・休業・再開の最終判断 |
| 店長・現場責任者 | 顧客誘導、従業員の点呼 |
| 安全確認担当 | 施設側・行政・消防との連絡 |
| 連絡担当 | 家族・本部・取引先への情報共有 |
| 記録担当 | 時刻、被害、対応内容の記録 |
4. 「現金・鍵・端末」の扱いを平時に決める
レジ金、金庫、店舗の鍵、パソコン、商品は、災害時に判断を迷わせやすい項目です。
BCP(事業継続計画)には、次の一文を入れておくと実務で役立ちます。
災害発生後、建物の安全確認が完了するまで、現金・商品・端末・私物の回収を目的とする再入場は行わない。
現金の管理は、防犯カメラ映像、POSデータ、金庫記録、保険、後日の確認で対応できます。命を危険にさらしてまで行う業務ではありません。
5. 訓練で「逃げる判断」を体に覚えさせる
内閣府は、企業に対して、防災の取り組みと事業継続計画の作成、繰り返しの訓練の重要性を示しています。
特にショッピングモールや商業施設のテナントでは、施設全体の避難ルールと、自社のルールが食い違わないように確認が必要です。
- 年2回以上の避難訓練
- 余震・火災・停電を想定した訓練
- 店舗と本部の連絡訓練
- 「再入場禁止」を含む判断訓練
- 新人・アルバイトを含めた周知
店舗・小売業向け|地震発生直後の行動チェックリスト
発生直後
- 来店客と従業員の身の安全を確保
- 揺れが収まってから避難誘導
- エレベーターは使用しない
- ガス臭・煙・火災の有無を確認
- 119番、施設管理者、本部へ連絡
- 従業員の点呼を取る
避難後
- 建物・店舗に戻らない
- 現金、商品、私物を取りに行かない
- 余震、火災、落下物に警戒する
- 負傷者の救護を優先する
- 本部からの連絡は責任者を通じて共有する
- 公式発表以外の情報を拡散しない
SNSで広がった声|問われたのは「安全最優先」の原則
公開投稿や報道への反応では、避難後に建物へ戻る判断について、強い不安や疑問の声が多く見られました。
特に目立つのは、次のような意見です。
- 「売上より命を優先すべき」
- 「従業員が断りにくい指示を出してはいけない」
- 「テナントと施設側の避難ルールを明確にしてほしい」
- 「災害時のマニュアルと訓練を見直すべき」
SNSは誤情報も混じるため、事故原因や責任の判断材料にはできません。一方で、企業の防災体制に対して社会が何を求めているかを知る材料にはなります。
防災用品は「買う」より「使える状態」にする
防災用品は、備蓄して終わりではありません。営業時間中に停電や避難が起きた際、従業員がすぐ使える場所に置き、定期的に点検することが大切です。
店舗・事業所で備えたいもの
- ヘルメット・防災ずきん
- LEDライト・予備電池
- モバイルバッテリー
- 携帯ラジオ
- 救急セット
- 飲料水・非常食
- 簡易トイレ
- 軍手・防じんマスク
- 連絡先一覧・紙の避難マニュアル
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まとめ
株式会社ハビタをめぐる報道は、災害時の企業判断が従業員の命に直結することを改めて示しました。
大切なのは、災害が起きてから迷わないことです。
避難したら戻らない。安全確認が取れるまで業務を再開しない。
企業防災は、立派なマニュアルを作ることではありません。現場の一人ひとりが、ためらわずに「命を優先できる仕組み」をつくることです。

