
言葉では伝わらない、空気では伝わらない。──だから、画面で残す。
いま検索が伸びている”同意アプリ”とは
Googleトレンドで「同意アプリ」「性的同意アプリ」の検索が急上昇中。きっかけは2023年7月の刑法改正で新設された「不同意性交等罪」と、それを受けて登場したスマホ完結型サービスです。これまで”暗黙の了解”で片付けられてきた領域に、テクノロジーが踏み込みました。
簡単に言えば、性行為の前にお互いがスマホ画面で同意の意思表示を残す仕組み。
証拠化までを射程に入れた、令和の新しいリテラシーです。
代表サービス① 日本発「キロク」
日本国内でいま最も注目されているのが、2023年末リリースの性的同意記録サービス「キロク」(運営:合同会社votepurchase)。
要点を整理すると次のとおり。
- インストール不要のWEBアプリ(スマホブラウザで動作)
- 無料登録で利用可能
- 同意項目をチェック→QRコードを相手に読み取ってもらう方式
- 同意記録はサービス側のサーバーに保存され、後から参照可能
- Google Play版アプリ「Kiroku」も配信中
カンテレ(関西テレビ)やJBpressも特集し、賛否両論を巻き起こしました。街頭インタビューでは「あると安心」という声と「犯罪の抑止にはなるけど浸透するかな?」という冷静な声、両方が拾われています。
代表サービス② 海外発「LegalFling」「Sólo Sí es Sí」
海外ではすでに先行例があります。
- LegalFling(オランダ発)── ブロックチェーンで同意契約を記録。ただしVICEやForbesは「法的拘束力は実際には弱い」と批判的に報道
- Sólo Sí es Sí(スペイン発)── Google Playで配信中の「YESだけがYES」コンセプトのアプリ
つまり「同意アプリ=法的に絶対安全」ではないこと、これが世界的な共通認識です。
どんな時に使う?──現実的な3つのシーン
- マッチングアプリで初めて会う相手と二人きりになる前
- お酒の席のあと、相手と一夜を共にしそうな場面
- 継続的な関係でも、その日その日の意思を改めて確認したい時
ピルコンや明育などの専門サイトは、「性的同意は毎回・その都度・はっきり確認するもの」と強調しています。アプリは”会話の代わり”ではなく、会話を促すきっかけとして位置づけるのが正解です。
法的な落とし穴──ここは必ず知っておくべき
ハフポスト日本版の取材に対し、法務省関係者は「同意書があれば罪に問えないという単純な話ではない」と回答しています。キロク公式も「同意した履歴があることだけから、同意ありという評価にはならない」と明言。
つまり──
- アプリの記録は証拠の一つにはなり得るが、免罪符ではない
- 同意はいつでも撤回できる(撤回後に行為を続ければ不同意性交に該当しうる)
- 酩酊・睡眠・恐怖などで判断能力を欠く状態の同意は無効
法的には弁護士に相談すべき領域です。当方は法律家ではないため、本記事の内容は一般情報として参考に留めてください。
SNSの生声(実投稿より要約)
X(旧Twitter)上では賛否が交錯しています。
- Xトレンド掲載議論:「ラブホ同行は性的同意か」というテーマで体験談と法解釈が活発に議論。マッチングアプリで会った相手とのトラブル事例が多数共有されている
- 賛成派:「言葉で確認しづらいことをアプリが代行してくれるのは助かる」「男女どちらにとっても保険になる」
- 懐疑派:「雰囲気が壊れる」「アプリを出された瞬間に冷める」「悪用されたら逆に怖い」
- 冷静派:「アプリより普段の会話で同意を取れる関係性を作るのが先」
キロク運営のPR TIMESアンケート(218名)では、刑法改正後に「性的同意への意識が変わった」と答えた人が一定数いる一方、アプリ使用への心理的ハードルも明らかになっています。
性的同意リテラシーを高めるためにできること
アプリだけに頼らず、根本的な理解を深めることが大切です。本やワークブックで学ぶのが一番手っ取り早い。
- 入門書として定評のある性的同意・コンセント関連書籍(楽天ブックス)で基礎を抑える
- 性教育・コンセント書籍をAmazonで探す ── 親子で読める入門書も豊富
- 不同意性交等罪・性犯罪改正法解説書(楽天)で法改正の中身を知る
- スマホでの記録性を高めるなら、録音・録画機能の使い方を学ぶことも一案(参考:Amazonで音声録音アプリ対応ICレコーダー)
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まとめ──”YES”の意味を、もう一度
性的同意アプリは、登場したばかりの不完全なテクノロジーです。万能ではない、しかし無視するべきでもない。
大切なのは、アプリを使う/使わない以前に「相手の意思を尊重する文化」を一人ひとりが内面化すること。デジタルツールはその補助線にすぎません。雰囲気を壊さず、けれど確かに残す──未来のスタンダードは、いまここから形作られていきます。
⚠️ 本記事は一般情報の提供を目的としており、法律相談ではありません。具体的な事案は弁護士・専門機関へご相談ください。性暴力被害でお悩みの方は、性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(全国共通短縮ダイヤル #8891) が利用できます。

