
Breaking News — 2026年2月24日、北の工業都市に激震が走った。
室蘭市の青山剛市長が本日、経営難の市立室蘭総合病院を2027年度をめどに閉院する方針を固めた。製鉄記念室蘭病院との統合により医療機能を集約する形で、明治期から続く”市民の病院”がその歴史に幕を下ろそうとしている。2026年2月26日開会の市議会定例会で正式表明される予定だ。(情報源:室蘭民報・北海道新聞、2026年2月24日)
🟢 【決着レポート・2026年5月12日更新】
速報から約3か月。閉院日が2028年3月31日に確定、2026年2月25日には三病院の最終合意が成立しました。市立病院の高度急性期は製鉄記念へ統合、回復期・慢性期は日鋼記念が蘭西で受け皿に。約540人の雇用確保は全国自治体病院協議会へ協力要請済み、跡地は製鉄記念の建て替え期間中に仮使用する案が浮上しています。協議会は役割を終え解散しました。
| 閉院時期 | 2028年3月31日(令和10年3月末) |
| 負債 | 約85億円(2025年度末時点) |
| 統合先 | 製鉄記念室蘭病院(高度急性期・急性期機能) |
| 蘭西地域カバー | 日鋼記念病院(回復期・慢性期・在宅連携) |
| 雇用対策 | 全国自治体病院協議会へ協力要請(2026年4月21日) |
| 跡地 | 製鉄記念の建て替え期間中(〜2031年)に仮使用案 |
何が起きているのか — 事実を整理する
本日の速報を時系列でまとめると、まず青山市長が2024年度の病院事業会計の純損失が18億1,000万円(過去最大、前年比57.2%増)に達したことを受け、閉院の方針を固めた。2025年5月には職員給与の9%削減を労使合意するなど、あらゆる延命措置を講じてきたが、赤字は一向に止まらなかった。2026年2月、市は2025〜26年度の2年間で23億円の緊急支援を一般会計から繰り出すという異例の対応を行ったが、それでも青山市長は「正常な姿でない」と表明。そして本日、ついに閉院の決断が下された。
閉院の理由 — 3つの”限界点”
第三に8年間の協議の末、機能分担で最終合意に至った点だ。2018年9月から続いた「室蘭市地域医療連携再編等推進協議会」は、第18回協議会で最終決着。当初の「日鋼記念との統合」案は、日鋼記念が徳洲会傘下となるなどの状況変化を経て、最終的に「3病院の機能分担」という形へ着地した。白紙ではなく、再設計だ。2026年2月25日に三者合意が公表され、協議会はその役割を終えて解散した。
統合後の医療体制 — どう変わる?
| エリア | 担当病院 | 役割 |
|---|---|---|
| 東室蘭地域 | 製鉄記念室蘭病院(知利別町) | 高度急性期・急性期・救命救急の二次医療圏拠点 |
| 蘭西地域 | 日鋼記念病院(新富町) | 回復期・慢性期・在宅医療/介護との連携拠点 |
| 山手町(市立跡地) | 製鉄記念が仮使用する案を検討中 | 建て替え期間中の暫定運用想定 |
製鉄記念室蘭病院は現地建て替えを計画。本部事務・院内保育所棟は2026年11月末竣工・12月供用開始、病院本体は2031年供用開始予定だ。建て替え期間中、市立病院の建物(1997年築・築約30年)を仮使用する案が浮上している。
跡地はどうなる? ——「仮使用案」が浮上
山手町の市立室蘭総合病院は1997年築、まだ築30年程度。取り壊すには早すぎる。そこで現実味を帯びてきたのが、製鉄記念室蘭病院が現地建て替え(〜2031年)の期間中に、市立病院の建物を仮使用する案だ(北海道新聞・財界さっぽろ報道)。
これが実現すれば、市立病院の閉院(2028年3月)と製鉄記念の新病院本体供用(2031年)の3年間のブランクを建物ごと埋められる。空白を生まずに医療機能を引き継ぐ、現実解として極めて筋がいい。
その後の長期利用は、高齢者福祉・介護施設、行政機能の集約拠点、民間売却・解体などが選択肢として残る。室蘭市は『公共施設跡地利用計画』を持ち、大規模跡地の方向性を順次示してきた実績がある。最終決定は今後の市の判断次第だ。
西胆振の医療崩壊リスク — 市民が直面する現実
最も心配されるのは、救急医療と産科・小児科の空白だ。市立病院は西胆振地域唯一の公立総合病院として、採算性の低い診療科も維持してきた。製鉄記念との統合でどこまで機能が引き継がれるか、現時点では不透明な部分が残る。
また、常勤職員約540人(会計年度含め900〜1,000人規模)の大半が「分限免職」となり、公務員の身分を失う可能性がある。地方都市にとって、これだけの雇用喪失は経済面でも深刻な打撃となる。
「市民は病院を失い、職員は職を失い、市は財政を守る」
これが2026年室蘭が直面する三重の喪失だ。
また、常勤職員約540人(会計年度含め900〜1,000人規模)の雇用確保は、もはや「分限免職一辺倒」のシナリオではない。室蘭市は2026年4月21日、全国自治体病院協議会(全自病)に協力要請し、全国の自治体病院ネットワークを通じた雇用受け皿づくりに動き出した。さらに製鉄記念室蘭病院は消化器内科医を市立病院へ派遣するなど、閉院前から段階的に人材を地域に留める仕掛けも始動している。
「失う」から「守るための再設計」へ。
病院は閉まる。だが、医療と雇用の灯は消さない——市と3病院が選んだのは、そういう着地だった。
今後のスケジュール(2026年5月時点・確定情報)
- 2025年度末 — 市立室蘭みなと診療所を廃止、市立病院本体へ機能集約(完了済み)
- 2026年2月25日 — 三病院最終合意公表、推進協議会は解散(完了)
- 2026年4月21日 — 室蘭市が全国自治体病院協議会へ雇用確保の協力要請(完了)
- 2026年11月末 — 製鉄記念の本部事務・院内保育所棟が竣工
- 2026年12月 — 同棟の供用開始
- 2027年度 — 市立病院から製鉄記念への段階的な機能統合
- 2028年3月31日 — 市立室蘭総合病院 閉院(確定)
- 2028年4月以降 — 製鉄記念の建て替え期間中、市立病院建物の仮使用案を検討
- 2031年 — 製鉄記念室蘭病院 新病院本体 供用開始予定
地方都市の医療と暮らし——備えは「家」から始まる
道内各地を回ると、病院までの距離が一気に伸びた町を何度も見てきた。室蘭は決して特殊例ではない。函館も、苫小牧も、釧路も、同じ未来図を見据えながら手を打っている。
行政や病院の再編を待つだけでなく、家庭でできる備えも見直したい。家庭用救急セット、常備薬の管理、在宅介護の基本書——大きな話に押されがちだが、結局のところ「自分と家族の最初の1時間」を守るのは家にある備えだ。
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電気工事業者・出張ワーカーとして現場から見える景色
道内各地を飛び回る身として思う。病院が消えた町の重さは、数字では語れない。室蘭に限らず、北海道の地方都市では今後も同じ問題が連鎖する。
この問題は室蘭だけの話じゃない。次は苫小牧か、函館か、それとも——。
まとめ
市立室蘭総合病院の閉院方針は、人口減少・財政悪化・統合協議の失敗という三重苦の末の決断だ。製鉄記念との統合で医療機能は一部継続されるが、540人規模の雇用喪失と跡地利用という課題が山積する。2月26日の市議会での議論から目が離せない。


