事の発端:衝撃の”命令口調”投稿
2026年3月21日、早稲田大学名誉教授・有馬哲夫氏(1953年生まれ・社会学者、メディア研究・公文書研究専門)がXにこう投稿した。
「ほらサナエ。今すぐイランへ飛んで、床に額なすりつけて、これまでの非礼を詫びて、日本のタンカーを通すようお願いしろ。抱きついても、尻尾振っても構わない。なりふりかまってる場合ではない。日本経済と国民生活守るため、はたらいて、はたらいて、はたらいて、はたらき抜け。」
「ほらサナエ」とは高市早苗首相へのファーストネーム呼び捨てだ。「額なすりつけ」「尻尾振っても」という過激な表現でイラン外交を迫った投稿はXのトレンドに即浮上し、賛否の嵐が続いている。
背景:ホルムズ海峡”9割封鎖”という現実
有馬氏がここまで過激な言葉を選んだ背景には、深刻なエネルギー危機がある。
2026年2月28日、米・イスラエルがイランへの攻撃を実施。イランは報復としてホルムズ海峡を通過する船舶を攻撃・脅迫し、大手海運会社は相次いで通航を停止した。
IMF・PortWatchの公式データによれば、2026年3月1日のホルムズ海峡の通航隻数はわずか26隻。2019年以来の平均(1日92.6隻)と比較すると、約9割減という前代未聞の水準だ(朝日新聞・AFPも「8〜9割減」と報道)。
日本の原油の中東依存度は93.5%(2025年実績)。ガソリン・物流・製造業へのダメージは計り知れず、政財界に焦りが広がっている。
3月21日にはイランのアラグチ外相が「日本関連船舶のホルムズ通過を認める用意がある」と表明したが、日本外務省は「真意を慎重に見極める」と動きが鈍い。この”もたつき”が有馬氏の怒りに火をつけた形だ。
批判の火力:「女性蔑視」「大学の品位を汚す」
Xには批判が殺到した。
- 「国の首相にこの言い方はアウト。女性蔑視が透けて見える」
- 「メディア研究者がネットリテラシーを欠いた投稿をするのか」
- 「早稲田大学に通報します」
- 「名誉教授の肩書でこれを書くのか。早稲田も落ちたもんだ」
さらに早稲田大学への問い合わせ・通報を呼びかける動きも拡大している。
擁護の声:「言い方は最悪、中身は正論」
一方、こんな声も少なくない。
- 「表現は論外だが、イランと独自交渉すべきという点は間違っていない」
- 「原油9割封鎖が現実。危機感の裏返しでしょ」
- 「欧米追従で動けない日本外交への苛立ちは理解できる」
米国の対イラン圧力に配慮しながら自国のエネルギーをどう守るか——日本外交の矛盾が、今回の炎上の根っこにある。
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まとめ:怒りが正義にはならない
どれだけ国を憂う危機感があっても、SNSで首相を呼び捨て・命令口調で迫れば議論の本質は吹き飛ぶ。有馬氏の「直接交渉論」は現実的な視点として評価する声もある。だがその声は今、表現の乱暴さという炎に飲み込まれてしまっている。
言葉の選び方が、正しい問題提起さえ葬る
2026年春、ホルムズ海峡と日本のSNS、どちらも「封鎖状態」が続いている。

