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卵1パック308円、なぜこんなに高い?鳥インフルだけじゃない”本当の理由”

生存戦略

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2026年2月18日

もう「優等生」じゃない

スーパーの卵売り場で値札を二度見する日が、当たり前になってしまった。

2025年12月、農林水産省が発表した全国平均小売価格は1パック(10個入り)308円。2023年の「エッグショック」時の306円をあっさり超え、調査開始以来の過去最高値を更新した。2025年8月から6か月連続で300円超えが続いており、2026年に入っても高止まりのまま。専門家は「前年比最大23%上昇、318円前後まで上がる可能性がある」と予測している。

かつて1パック100円台で買えた時代を知っている身からすると、308円という数字はなかなか重い。北海道を飛び回る出張の合間に立ち寄るスーパーでも、体感としてしっかり値上がりを感じている。

殺処分の連鎖

まず誰もが思い浮かべるのが鳥インフルエンザ。これは間違いなく大きな原因のひとつ。

2024〜2025年シーズンだけで全国14道県、約932万羽が殺処分された。さらに2025年秋以降も北海道で白老町約46万羽、恵庭市約23.6万羽、合計約68万羽が処分。道内の採卵鶏の約12%が消えた計算だ。

再び出荷できるまで約1年〜1年半。今シーズンの被害回復は2026年秋〜2027年にずれ込む。その間、供給は細ったまま。

本当の理由は3つ重なっている

ここからが本題。「鳥インフルのせい」だけで片付けると、本質を見誤る。

①エサ代が2倍になった

ニワトリのエサの主原料、トウモロコシと大豆は大半が輸入。ウクライナ紛争で穀物価格が上がり、円安が追い打ち。飼料価格は3年前の約2倍。卵の生産コストの約6割が飼料代だから、トウモロコシ価格と円相場が戻らない限り、卵が「昔の値段」に戻ることは論理的にあり得ない。

②見えないコストの積み上がり

養鶏場の空調・照明の電気代、輸送のガソリン代。原油価格の上昇と不透明な国際情勢で、卵1個を届けるまでの裏側のコストがじわじわ膨らんでいる。

③農家がいなくなっている

最も深刻で、最も語られない問題。高齢化、後継者不足、鳥インフルのたびに全羽殺処分される精神的・経済的ダメージ。廃業する養鶏農家が後を絶たない。日本の鶏卵自給率は表面上96%だが、飼料の輸入依存を差し引くとカロリーベースではほぼ0%に近い。「国産」に見えて、実態は「輸入飼料で育てた国内産」。この構造が変わらない限り、国際情勢に振り回され続ける。

北海道のリアル

道内を飛び回っていると、出張先のスーパーで卵の棚がスカスカの光景に出くわす。白老・恵庭の殺処分は道内生産の1割強を直撃し、ホクレン徳田副会長も「高水準が続く」と明言している。

「何をしたら鳥インフルを防げるのか」

養鶏農家の悲痛な声が北海道新聞に載っていた。

農家が踏ん張ってくれているから、今の308円で済んでいるとも言える。

いつ下がる?

率直に言うと、短期的には下がらない

養鶏業者は「2026年6月ごろまで高値が続く」と見るが、それは鳥インフル分だけの話。飼料コスト、円安、農家の減少という構造問題が解消されない限り、200円台への回復は難しい。経済評論家の加谷珪一氏は「コメも卵ももう値下がりしない。それは幻想だ」と断言している。

「卵1パック300円」は、一時的なショックではなく新しい日常になりつつある。

今できること

食費を預かる立場として、できることは地味だけど確実に──業務スーパーや直売所を活用する、ふるさと納税の返礼品で卵を選ぶ、楽天やAmazonのセール時にまとめ買いする。

小さな工夫の積み重ねが、308円時代を乗り越える武器になる。

まとめ

卵1パック308円の裏には、鳥インフルだけでなく、飼料の輸入依存と円安、エネルギーコスト、養鶏農家の減少という日本の食料安全保障の問題が横たわっている。308円の卵を割るたびに、その1個の向こう側にある構造を少しだけ考えてみてほしい。

参考リンク

卵1パック308円の価格高騰と鳥インフル・飼料コスト上昇を表すイラスト