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再配達率の裏側。ラストマイル問題を解く”混載×AI最適化”の最前線

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あなたが「再配達」を1回頼むたびに、社会はどれだけのコストを払っているのか、考えたことはありますか?

その答えは数字が静かに語ります。

年間約1.8億時間の労働損失、約25万4,000トンのCO₂排出、そして物流業界の苦境の象徴として語られ続ける「ラストマイル問題」。

2026年、ついこの課題に正面から挑む技術と仕組みが現場に広がり始めました。

まず数字を整理する

国土交通省の最新調査(2025年10月)によると、宅配便の再配達率は約8.3%(前年同月比−0.7pp)まで改善されています。一方で、2024年10月時点では約10.2%(国交省サンプル調査)、さらに一時期は10.9%台を記録していた時期もあり、政府が掲げる2025年目標7.5%には、まだ距離があるのが現実です。

この「約1割が届かない」という事実の裏には、膨大な社会コストが隠れています。

再配達が引き起こす経済損失は年間約1.8億時間相当(ACCRETECH試算)、CO₂排出量は約25万4,000トン(大阪府試算)。物流コストの売上比率も5.36%(日本ロジスティクスシステム協会 2025年度速報)と過去20年で4番目に高い水準です。

なぜ今も再配達は減らないのか

問題の構造は単純ではありません。2024年4月の時間外労働規制(年960時間上限)でドライバー一人当たりの稼働量が制限され、2028年には約27.9万人のドライバー不足が見込まれています。需要は拡大する一方、担い手は減る。この矛盾がラストマイルを”詰まり”させています。

従来の「車建て契約」も問題を深刻にしていました。トラック1台に荷物が半分しか積まれていなくても、契約上は1台分の料金がかかる。空気を運んでいる状態です。この非効率こそが、コスト高・CO₂増・ドライバー疲弊のトリプル損失を生み出していました。

混載×AIが打ち破る「空気輸送」の壁

この構造に風穴を開け始めたのが、混載(コンソリデーション)×AI最適化という組み合わせです。

ロジテックIT企業のRoofi(東京)が開発した「DeLink」システムは、複数の小売チェーン・EC事業者の配送データをAPIで一元統合し、AIがリアルタイムに最適ルートを算出。異なる荷主の荷物を1台のトラックに混載することで、1件あたりの配送コストを大幅に削減します。ドライバーは専用アプリ「ハコログGO」で次の目的地を確認するだけで、複数社の配送を一度にこなせる仕組みです。

九州の大手スーパーチェーンとの実証実験では、導入初期から利益率の改善とドライバーの働きやすさ向上が確認されています。「件建て契約」(荷物1個単位の課金)への移行により、固定費が変動費化され、閑散期のコスト過大も解消されます。

佐川急便が導入するAIルート最適化システムも同方向で、配送効率と再配達削減を両立させる取り組みが加速しています。国交省も2025年11月に「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言を公表し、混載・AI活用を政策的に後押しする方向性を示しました。

2026年4月施行の「物流効率化法」がさらに加速させる

2026年4月には、荷主・物流事業者双方に改善努力を義務付ける物流効率化法(貨物自動車運送事業法改正)が施行されます。大手荷主は物流負荷低減の取り組みを国に報告する義務を負い、違反には行政指導・勧告が下ります。これにより、「とにかく翌日配送・無料配送」という商慣行の見直しが企業レベルで進み始めています。

混載×AI最適化の普及は、もはや「技術の話」ではなく「法令対応の話」へと格上げされました。

消費者にできること、変わること

最終的にラストマイルを救うのは技術だけではありません。置き配の活用、コンビニ受け取り、日時指定の徹底──消費者の行動変容が再配達率を下げる最短ルートです。

Amazonでは2026年時点でおよそ8割が置き配で完結しており(note, 2026年1月)、国交省の白ナンバー弾力化(2026年4月)も相まって、配送網の末端に新たな担い手が増える環境が整いつつあります。

「再配達1回」が社会全体にどれだけのコストを与えているか。その問いを持つだけで、私たちの行動は少し変わるかもしれません。

参考・引用元

#媒体・機関記事・資料名掲載日
1国土交通省宅配便の再配達率(令和7年10月調査)2025年12月26日
2国土交通省令和6年10月再配達サンプル調査PDF2024年12月06日
3国土交通省ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 提言公表2025年11月07日
4国土交通省再配達削減の取り組みページ随時更新
5ロジスティクス・トゥデイ「混載で救え、件建て化が変える小売ラストマイル配送」2026年02月20日
6hacobu.jp「ラストワンマイル問題とは?現状や解決策」2026年01月27日
7ACCRETECH(東京精密)再配達経済損失試算データ2025年参照
8大阪府再配達CO₂排出量試算(約25万4,000トン)2025年参照
9日本ロジスティクスシステム協会(JILS)2025年度物流コスト調査速報2025年公表
10zaico.co.jp「物流の2026年問題とは?」2025年12月23日
11note(hakobito)Amazon置き配8割達成レポート2026年01月19日
12aidiot.jp「物流効率化の最新手法とKPI可視化事例」2026年02月10日
13pando.lifeラストマイル配送市場分析レポート2026‑20332026年02月参照
再配達票を抱える配送ドライバーと、AI混載最適化で効率的に配送するトラックの対比イラスト。