2月9日、岐阜県大垣市で木造2階建て住宅(約160㎡)が全焼する火事が発生した。
原因は石油ファンヒーター。
住人は
「スイッチを入れてしばらくしたら火が出た」
「灯油とは違うにおいがあった」
と証言している。
消防の調査で判明したのは、信じがたい事実だった。
ファンヒーターに入っていた灯油に、ガソリンが混入していた。
■ 約1600人が購入の可能性
ガソリンが混入した恐れのある灯油を販売していたのは、大垣市熊野町のセルフ式ガソリンスタンド「キグナス石油西濃」。
販売期間は2026年1月29日〜2月13日の約2週間。
この間に灯油を購入した人は約1600人にのぼる可能性がある。
スタンドには
「ファンヒーターが火を噴いた」
「灯油の臭いが変」
など苦情が相次いでおり、16日には返品客が長蛇の列をつくった。
警察と消防が立ち入り調査を実施している。
■ ガソリン混入灯油、何が怖い?
ガソリンと灯油の決定的な違い、それは引火点だ。
| 燃料 | 引火点 |
|---|---|
| ガソリン | マイナス40℃以下 |
| 灯油 | 40℃以上 |
灯油は常温では火を近づけても簡単には燃えない。
だがガソリンはマイナス40℃でも引火する。
この差が致命的になる。
NITE(製品評価技術基盤機構)の実験映像では、ガソリンを入れた石油ストーブが点火後すぐに爆発音とともに炎に包まれた。
ファンヒーターでも同様に、何度も爆発音を上げて一気に燃え広がった。
暖房器具がそのまま”火炎放射器”に変わる。
それがガソリン混入灯油の恐ろしさだ。
■ あなたの灯油は大丈夫?見分ける3つの方法
「キグナス石油西濃」以外で購入した方も、知っておいて損はない。
① 色で見る 灯油は無色透明。ガソリンは識別のためオレンジ系の色が着色されている。透明なコップに少量移して確認。ほんのり色がついていたら要注意。
② 指につけて息を吹きかける 火気のない安全な場所で指先に少量つけ、息を吹きかける。すぐに蒸発して冷たく感じたらガソリンの可能性。灯油は蒸発しにくいので指に残る。
③ 臭いを確認 灯油は独特の「灯油臭」。ガソリンが混入していると、いつもより鼻にツンとくる刺激臭がある。「なんか臭いが違う」と感じたら使わない。
ただし
少量の混入では素人には判別が難しいケースもある。
少しでも不安があれば消防署やガソリンスタンドに相談するのがベストだ。
■ なぜ混入した?GSの管理体制
豊橋技術科学大学の中村祐二教授(燃焼学)は「ガソリンと灯油はそもそも売る場所(地下タンク)が違うので、混ざること自体が通常ありえない」と指摘する。
考えられる原因として、都内のガソリンスタンド店長はこう話す。
「タンクローリーからホースを伸ばして各タンクに燃料を入れる際、ガソリンのホースを間違えて灯油のタンクにつないでしまうケースが考えられる」
つまり人為的ミスだ。実は、こうした”混油事故”は2024年だけで全国41件発生している(総務省消防庁)。珍しい事故ではない。
キグナス石油西濃のスタッフは「この業界に46年いるが原因が考えられない。従業員はみんなベテラン」と困惑。消防は引き続き経緯を調査中だ。
■ 該当する方はすぐに連絡を
対象: 大垣市熊野町「キグナス石油西濃」で1月29日〜2月13日に灯油を購入した方
やるべきこと:
- 直ちに使用を中止する
- 灯油をポリタンクごと保管する(勝手に廃棄しない)
- 消防署または販売店に連絡する
大垣消防組合は「ストーブやファンヒーターに使った場合、火災につながる恐れが極めて高い」として、絶対に使わないよう呼びかけている。
■ まとめ── Trust, But Verify
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日 | 2026年2月9日(住宅全焼) |
| 販売店 | キグナス石油西濃(岐阜県大垣市熊野町) |
| 販売期間 | 1月29日〜2月13日 |
| 購入者数 | 約1600人 |
| 原因 | 灯油へのガソリン混入(経緯は調査中) |
| 対応 | 即時使用中止・消防署or販売店に連絡 |
灯油は冬の暮らしの生命線。特に北海道のような寒冷地では死活問題だ。
ガソリンスタンドで灯油を買うとき、「まさか混入しているなんて」と誰も思わない。でも全国で年間41件の混油事故が起きている現実がある。
信じるけど、確認する。──Trust, But Verify.
少しでも「いつもと違う」と感じたら、使わず確認。その数秒の判断が、家と命を守る。
参考ソース


